▲写真=NEWSIS
禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長が9日、保守系野党「国民の力」のナ・ギョンウォン議員による無制限討論(フィリバスター)の途中でマイクの電源を切ってしまった。無制限討論は、少数野党の最後の反対手段だ。国会議長には、これを保護する責務がある。その国会議長が、逆に少数党の口をふさいだのだ。国会議長が無制限討論を妨害したのは、1964年に共和党出身の李孝祥(イ・ヒョサン)議長が当時の金大中(キム・デジュ..
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禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長が9日、保守系野党「国民の力」のナ・ギョンウォン議員による無制限討論(フィリバスター)の途中でマイクの電源を切ってしまった。無制限討論は、少数野党の最後の反対手段だ。国会議長には、これを保護する責務がある。その国会議長が、逆に少数党の口をふさいだのだ。国会議長が無制限討論を妨害したのは、1964年に共和党出身の李孝祥(イ・ヒョサン)議長が当時の金大中(キム・デジュン)議員の発言を阻止して以来、61年ぶりだという。
【写真】ナ・ギョンウォン議員がマイクの電源を切った禹元植国会議長に抗議する様子
ナ議員は発言台に上がったとき、禹議長にあいさつをしなかった。禹議長がこれに気分を害したということはあり得る。だが、それを理由に、法的に許容された発言権そのものを封鎖することはできない。にもかかわらず、禹議長は「議題と関係ない内容」だとしてわずか13分でマイクを切った。民主党がこれまで無制限討論時に議題と無関係な発言をしてきた事例は無数にあり、数えるのも難しい。秋美愛(チュ・ミエ)議員は昨年7月、韓国教育放送公社法改正案に対する無制限討論を行いながらテレビCMの替え歌を歌ったこともある。無制限討論は、どのみち24時間を超えることはできないのに、それも我慢できず野党議員の発言を邪魔して口をふさいだ。
国会議長には中立義務がある。だから離党して無所属になる。だが禹議長は、形式的に離党しただけで、露骨に「民主党の議長」として行動してきた。国会の常任委員長ポストを配分するときも、長年の慣行を破って法制司法委を与党の民主党に渡す、ということもやった。
ナ議員が討論していた時間に、李在明(イ・ジェミョン)大統領は民主党代表や院内代表など指導部を大統領室に招き、2時間30分にわたって夕食を共にした。国会本会議が開催中の状況で、それも野党がフィリバスターをしているさなかに、大統領が与党指導部を国会外に呼び出したというのもなかなかない。いくら少数であっても、第1野党は政権与党と共に国会を率いる2本の軸だ。口では「協治しよう」と言っておいて、このように無視してもいいのか。だから与党の代表は野党の解散を口癖のように主張し、国会議長は野党の口を思いのままにふさいでも問題ないと考えているのではないか。
禹議長は最近、国会予算で、12・3戒厳当時自分が塀を乗り越えた場所を表示する石碑を立てようとした。自分が民主主義を守ったというわけだ。だが、やっていることは61年前の独裁時代と変わらない。「民主」をうんぬんするのが恥ずかしくないのか。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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