世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の政治資金違法後援事件を捜査している閔中基(ミン・ジュンギ)特別検察官(特検)が9日、進歩(革新)系与党「共に民主党」に対する旧統一教会の金品支援事件を、韓国警察庁の国家捜査本部に移管した。旧統一教会の尹鍈鎬(ユン・ヨンホ)元世界宣教本部長が特検の事情聴取で「2018年から19年にかけて民主党の元職・現職議員2人に数千万ウォン(1000万ウォン=現在のレートで約..
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世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の政治資金違法後援事件を捜査している閔中基(ミン・ジュンギ)特別検察官(特検)が9日、進歩(革新)系与党「共に民主党」に対する旧統一教会の金品支援事件を、韓国警察庁の国家捜査本部に移管した。旧統一教会の尹鍈鎬(ユン・ヨンホ)元世界宣教本部長が特検の事情聴取で「2018年から19年にかけて民主党の元職・現職議員2人に数千万ウォン(1000万ウォン=現在のレートで約107万円。以下同じ)渡した」と供述したのが、今年8月のこと。「2人のうち、教団施設を訪れて韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁と会った1人には現金4000万ウォン(約426万円)ほどを届け、高価な時計二つを箱に入れて届けた」という具体的な供述もあった。ところが、保守系野党「国民の力」に対する後援容疑のみを起訴して民主党に関する部分は4カ月も伏せておき、関連報道が出てから慌てて事件を警察に渡したのだ。
【表】あらゆる角度から共に民主党の取り込みを図っていた旧統一教会
特検側は「特検法上、特検の捜査対象ではないと判断したから」だとコメントした。尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の配偶者である金建希(キム・ゴンヒ)夫人関連の疑惑ではないというわけだ。だが閔中基特検がこれまで起訴した24人のうち16人は、金夫人との直接的な関連が明らかでない人々だ。旧統一教会から違法な政治資金1億ウォン(約1065万円)を受け取った容疑で起訴した権性東(クォン・ソンドン)国民の力議員も、金夫人と関連があるとは言い難い。にもかかわらず、民主党についてだけは「捜査範囲ではない」というのであれば、納得できない。
もし、本当に捜査対象ではないと判断したのであれば、事件を直ちに別の捜査機関へ渡すべきだった。特に、この事件の犯行があったと推定される時期は2018-19年であり、政治資金法違反を処罰できる公訴時効は7年だ。もし2018年に金品提供が行われたのであれば、今年の年末で公訴時効が終わる。だから何より急がなければならないのに、4カ月も事件を伏せておいて、後になってメディアの報道があってからようやく移管した。そのせいで警察は、贈収賄(公訴時効15年)で捜査しない限り、きちんとした捜査もできずに事件を終わらせなければならないということになりかねない。特検が民主党議員に、抜け道を開けておいてやったも同然だ。
閔中基特検の動きは、特検の捜査権を悪用して野党を攻撃し、民主党は見逃すという、明白な政略的行為であり犯罪だ。特検が民主党の事件をあたふた移管したのも、問題になった場合に免責を受けるためだからだろう。だが移管したとしても、故意に事件捜査を握りつぶし、遅延させる意図が明らかであれば、職務遺棄罪が成立する。検察であれ警察であれ、捜査に着手せねばならないほどの重大事案だ。
だが政権の顔色をうかがって、どこも動いていない。国民の力は「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)に告発する」とした。公捜処であっても、命運を懸けて捜査すべきだ。公捜処の存在理由だ。これすらきちんと捜査しないのなら、それもまた公捜処の職務遺棄だ。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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