▲李在明(イ・ジェミョン)大統領。写真提供=韓国大統領室
李在明(イ・ジェミョン)大統領が国土交通部(省に相当)の業務報告で、かつて未来統合党(国民の力の前身)所属で国会議員を3期務めた仁川国際空港公社の李鶴宰(イ・ハクチェ)社長を「公開叱責(しっせき)」した。「100ドル札を本のしおりのように挟んで海外に持ち出すことは可能なのか」という李大統領の質問に、李鶴宰社長が「主に有害物質を検査している」「税関と一緒にやる」と説明すると、話を途中で遮り、「本当..
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▲李在明(イ・ジェミョン)大統領。写真提供=韓国大統領室
李在明(イ・ジェミョン)大統領が国土交通部(省に相当)の業務報告で、かつて未来統合党(国民の力の前身)所属で国会議員を3期務めた仁川国際空港公社の李鶴宰(イ・ハクチェ)社長を「公開叱責(しっせき)」した。「100ドル札を本のしおりのように挟んで海外に持ち出すことは可能なのか」という李大統領の質問に、李鶴宰社長が「主に有害物質を検査している」「税関と一緒にやる」と説明すると、話を途中で遮り、「本当に話が長い」「話をそらすな」と言った。準備資料を見ようとする李鶴宰社長に「書いてもらったことばかり読むな」「今、よそに行って遊んでいるのか」とも言った。全国民に向けて生中継されている場で、前政権の尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が任命した公企業の社長を非難したのだ。
【写真】「本当に話が長い」「話をそらすな」 公の場で尹政権が任命した仁川空港公社社長を非難する李在明大統領
李大統領が指摘した「外貨持ち出しの取り締まり」は基本的には税関の業務だ。空港の検査は刃物や凶器など乗客の安全を脅かす物を摘発することが主な業務であり、紙である紙幣そのものはセキュリティー検査の対象ではないという。李大統領の指示通り乗客の本をすべて調べれば、検査遅延で予定時刻通りに搭乗できない状況が発生する可能性がある。
李大統領は入札公告すら出ていないエジプト空港に関する需要・展望などを問い詰めるように質問して李鶴宰社長を責め立てもした。それと共に「任期が3年もたったのに業務把握が正確にできていない感じがする」と言った。その翌日、李鶴宰社長は一つ一つ釈明する文章を交流サイト(SNS)に掲載した。李大統領が非難し、公企業の社長が公に反論する事態となったのだ。
北東アジア歴史財団の業務報告では、「歴史教育と関連して『桓派(桓檀古記信奉者)』論争があるのではないか」と言った。桓檀古記とは、古朝鮮以前の「桓国」が最初の文明であり、ユーラシアにかけて膨大な領土を占めたと主張する1979年に出版された本のことだ。学界では「偽書」と判明して久しい。
同財団の朴枝香(パク・チヒャン)理事長が「専門研究者と文献を重視する」と言うと、李大統領は「桓檀古記は文献ではないのか」「文献にあることを証拠だとするのかが論争の種だ」と言った。荒唐無稽(むけい)な資料になぜ「歴史教育」という言葉を結び付けることができるのか疑問だ。李大統領は野党代表だった時、尹錫悦政権が任命した朴枝香理事長の「罷免」を要求したことがある。
李大統領が部処(省庁)報告を公開し、機関トップや政策の問題点を指摘するのはいい。しかし、公の場で上の者が下の者を叱責する時は守らなければならないラインがある。一般の職場でも上の者が侮辱的な言葉で叱れば「パワーハラスメント(パワハラ)」で懲戒対象になる。最高権力者である大統領が、現場の機関トップを生中継の最中に非難する姿は、国民の目には気まずく映る。もし、前政権の人物を追い出そうとする意図があるなら、幼稚な行為だ。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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