【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の「非常戒厳」宣言を巡る内乱事件を捜査してきた趙垠奭(チョ・ウンソク)特別検察官は15日、6カ月間の捜査の結果を発表した。趙氏は尹氏などが権力を独占・維持する目的で非常戒厳を宣言した事実をつかんだとし、「信念によるものではなく、自分に逆らったり反対したりする人物を反国家勢力と決めつけ、非常戒厳を通じて排除しようとした事実を確認した」と述べ..
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【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の「非常戒厳」宣言を巡る内乱事件を捜査してきた趙垠奭(チョ・ウンソク)特別検察官は15日、6カ月間の捜査の結果を発表した。趙氏は尹氏などが権力を独占・維持する目的で非常戒厳を宣言した事実をつかんだとし、「信念によるものではなく、自分に逆らったり反対したりする人物を反国家勢力と決めつけ、非常戒厳を通じて排除しようとした事実を確認した」と述べた。
また、文在寅(ムン・ジェイン)元大統領に抜てきされ検事総長を務めた尹氏が与党「共に民主党」と対立し辞任した後、同党を「巨大議席を持って自由と法治を否定する勢力」とみなし、この認識が2022年の大統領選に当選してからも続いたと指摘した。
22年11月25日に行われた当時の与党「国民の力」執行部との夕食会では、「(大統領には)非常大権がある。銃殺されることがあっても一掃する」と発言するなど、政治的敵対勢力を敵視したと説明した。検察時代の後輩で自らが登用した当時の同党代表、韓東勲(ハン・ドンフン)氏に対しても「アカ(共産主義者)」と非難するなど対立したことも分かった。
また尹氏が大統領就任とともに執務室をソウル・竜山の国防部庁舎に移し、大統領公邸も同じ竜山区内の漢南洞にしたことで、大統領と軍が密着する環境が整ったと説明した。
金龍顕(キム・ヨンヒョン)国防部長官(当時)などと随時会い、24年4月の国会議員総選挙のはるか前から非常戒厳を準備してきた事実をつかんだと明らかにした。また戒厳を巡る謀議の事実を知った申源湜(シン・ウォンシク)国防部長官(当時)が戒厳に反対する意思を示したことを受け、国防部長官を交代する人事を強行したとも指摘した。
非常戒厳を宣言する名分を作るために、正常でない軍事作戦で北朝鮮の武力挑発を引き起こそうとしたものの、北朝鮮が軍事的に対応しなかったため失敗したことも捜査を通じて分かった。
趙氏は「尹錫悦らは軍を通じて武力で政治活動および国会の機能を停止させ、国会に代わる非常立法機構を通じて立法権と司法権を掌握した後、反対勢力を排除しようとした」とし「国会で行われる政治活動について、内乱を画策する『反国家行為』『反国家勢力』と決めつけ、非常戒厳を宣言した」と指摘した。
また韓国国民は全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領、盧泰愚(ノ・テウ)元大統領らの勢力が朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領暗殺事件の捜査を名目に1980年に合同捜査本部を設置し、権力確保を目的に反対勢力を令状なしに拘束・監禁し、拷問で事件をねつ造した歴史を記憶しているとし「(尹氏が)掲げた名分は見せかけだけで、権力の独占と維持が目的の親衛クーデターだった」と強調した。
特別検察官は尹氏が非常戒厳を宣言した動機の核心には長期にわたる権力独占と維持と指摘し、これに作用した背景の一つとして、妻の金建希(キム・ゴンヒ)氏の逮捕回避も主な理由だったと判断した。
特別検察官側は「権力独占・維持は本人がやりたいようにしようとする気持ちから始まったもので、その気持ちには本人と配偶者が有罪判決を受ける可能性の解消が含まれていると思われる」と指摘した。
また非常戒厳宣言の理由は権力独占と維持であるが、尹氏が権力独占と維持が必要と決心した背景には妻と自身が裁判で有罪判決を受けることを回避する問題が含まれていると強調した。
聯合ニュース
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