▲イラスト=朴祥勛(パク・サンフン)
直近の5年間に警察が国家保安法違反容疑で送検した容疑者が150人以上に達することが14日までに分かった。与党・共に民主党などの議員らは今月初めに国家保安法廃止法案を提出したが、これに対して警察や韓国軍のスパイ対策を担当する部署などからは「北朝鮮関連の利敵行為を防ぐ法的根拠がなくなる恐れがある」などの指摘が相次いでいる。
韓国の警察庁が野党・国民の力の徐範洙(ソ・ボムス)議員事務所に提出した資料に..
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▲イラスト=朴祥勛(パク・サンフン)
直近の5年間に警察が国家保安法違反容疑で送検した容疑者が150人以上に達することが14日までに分かった。与党・共に民主党などの議員らは今月初めに国家保安法廃止法案を提出したが、これに対して警察や韓国軍のスパイ対策を担当する部署などからは「北朝鮮関連の利敵行為を防ぐ法的根拠がなくなる恐れがある」などの指摘が相次いでいる。
韓国の警察庁が野党・国民の力の徐範洙(ソ・ボムス)議員事務所に提出した資料によると、2021年から今年11月までに国家保安法違反容疑で送検された容疑者は151人で、これは1年に30人前後のペースだ。うち北朝鮮の指示を受け軍事機密や国家機密の探知・収集・漏えいなどを行った容疑(目的遂行)では15人。また反国家団体である北朝鮮を称賛・鼓舞し摘発された容疑者は67人だった。利敵団体の立ち上げや加入による送検は10人、無許可で北朝鮮に往来する潜入・脱出容疑で摘発されたのは29人だった。
最近の国家保安法違反関連の裁判では実刑宣告が相次いでいる。先月20日にソウル中央地裁では北朝鮮ハッカーと共謀し16の不法賭博サイトを立ち上げ運営した組織の責任者に懲役5年・資格停止5年、追徴金4700万ウォン(約500万円)の実刑が宣告された。判決理由について裁判長は「北朝鮮の統治資金になると考えられる金品の授受は国家の存立、安全、自由民主主義の基本秩序を危うくする恐れがある」と説明した。
韓国のスポーツブランド「アンダール」の創業者シン・エリョン氏の元夫はオンラインゲーム用の私設サーバーを運用しながら北朝鮮ハッカーに分散サービス妨害攻撃(DDoS攻撃)などのサイバー攻撃を依頼し、その見返りとして2380万ウォン(約250万円)を支払った容疑で先月14日にソウル西部地裁で懲役1年・資格停止1年が宣告され法廷拘束された。
専門家は「国家保安法の廃止は国を守る最低限の仕組みを自ら破壊する行為」と指摘する。高麗大学法学専門大学院の張永洙(チャン・ヨンス)名誉教授は「英国、米国、ドイツ、フランスなど欧米先進国も国を守る具体的な法律を制定しているが、北朝鮮と厳然と対峙(たいじ)している韓国が先頭に立って法律を廃止することの意図が理解できない」と疑問を呈し、また徐範洙議員も「国家保安法廃止は安全保障を放棄する宣言だ」として反対している。国会立法予告サイトにはこの日の時点で国家保安法廃止に反対する意見が12万件以上掲載された。
ク・アモ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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