▲イラスト=UTOIMAGE
昨年3月、ソウル市の高校に通う一人の生徒が、学校でいじめを受けたと申告した。女性生徒Aから1年以上「ちょっと化粧したらいいのに。すっぴんだとブサイク」などと容姿をからかわれたということだった。届け出を受けた管轄の教育支援庁は、学校暴力(いじめ)対策審議委員会を開催し、女子生徒Aに「奉仕活動4時間」の懲戒処分を下した。これに対し、女子生徒A側は「ふざけ合っていたときに、被害生徒の方が先に『背が低く..
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昨年3月、ソウル市の高校に通う一人の生徒が、学校でいじめを受けたと申告した。女性生徒Aから1年以上「ちょっと化粧したらいいのに。すっぴんだとブサイク」などと容姿をからかわれたということだった。届け出を受けた管轄の教育支援庁は、学校暴力(いじめ)対策審議委員会を開催し、女子生徒Aに「奉仕活動4時間」の懲戒処分を下した。これに対し、女子生徒A側は「ふざけ合っていたときに、被害生徒の方が先に『背が低くて小学生みたい』と言ってきたので、言い返しただけ」として、ソウル行政法院(裁判所)に懲戒処分取り消しを求める訴訟を起こした。昨年12月に行われた裁判では「不適切な発言であることは明らかだが、相手の気持ちを傷つけたからといってこれを全ていじめと判断するのは控えるべき」として、女子生徒Aに対する懲戒処分の取り消しを命じた。
このように、小・中・高校で児童・生徒間のトラブルが法廷闘争に発展するケースが増えていることを受け、ソウル行政法院は先月23日、裁判官の定期人事に合わせ、学校での暴力・いじめ事件を専門に担当する裁判部を従来の2カ所から4カ所(行政1・2・3・5単独)に増やした。行政法院は2023年2月、学校暴力・いじめ専門の裁判部を新設し、今年初めまで2カ所を運営してきたが、今後は倍に増やして対応を強化する。
行政法院が受理したソウル市地域の学校暴力・いじめ関連の訴訟は2022年の51件から23年は71件、24年は98件、25年には134件へと年々増えている。教諭が仲裁しても和解できないケースや、教育庁(教育委員会)の審議委員会の決定に承服できない側が法廷闘争に持ち込むケースが増えているのだ。行政法院の関係者は「23年に政府が、26年度の大学入試からいじめ関連の履歴の内申書記載を義務付けることを決め、一部の大学が政府の対応に先駆けて25年度一般入試にこの件を適用したことから、関連の訴訟が増えている」と説明した。
行政法院は、増加する学校暴力・いじめ事件の審理を強化するために、専門の裁判部に法曹経歴20年以上の部長判事4人を投入した。4人とも行政事件を多数審理した経験がある上、小学生以上の子どもを育てているため、学校での暴力・いじめ事件をよく理解しているという。女性裁判官も1人配置した。行政法院の関係者は「加害者・被害者の性別などを考慮した」と説明した。
学校の現場での暴力・いじめ被害の申告は増え続けている。教育部(省に相当)が昨年9月に発表した「2025年第1回学校暴力実態調査結果」によると、小学4年生-高校3年生の児童・生徒326万人のうち暴力やいじめの被害を受けたと答えたのは8万1500人だった。被害を訴えた児童・生徒は22年には5万3600人だったが、23年は5万8800人、24年は6万7700人へと増えた。
暴力やいじめの形も徐々に悪質になっているようだ。行政法院は昨年1月「ボコボコにされたくないなら全部やっておけ」と被害生徒に数学の宿題を解かせた上、博物館から通学バッグを自分の代わりに持たせたとして懲戒処分を受けた生徒Bについて、「出席停止4日の懲戒処分を取り消してほしい」と提起した生徒Bの訴訟を棄却した。裁判は「生徒Bが、いじめの通報がある前に被害生徒に心から謝ったとは見受けられず、また和解のために真面目に努力したと考えられるほどの事実がない」と説明した。
学校での暴力やいじめが社会問題化し、最近では口げんか程度の事案までもが法廷闘争へと発展している。裁判所にとっては、加害者の発言の程度と被害者の心理を総合的に考慮しなければならなくなり、不確定要素が増えた。昨年5月にはソウル市内の中学校で、女子生徒Cが「狂ったXX」などの口汚い言葉を何度も吐いたという理由でいじめ加害者として通報された。審議委は3カ月後、女子生徒Cに対し、書面での謝罪と2時間の教育履修という懲戒処分を下した。これに対し女子生徒C側は「同い年である思春期の女子生徒同士、グループ内での複雑な関係で発生した誤解によるものだった」として、行政法院に懲戒処分取り消しを求めて提訴し、昨年12月に勝訴した。裁判は「女子生徒Cと被害生徒間の問題は、時にはけんかもするし時には仲よく過ごすというレベルを超えないものだと判断される」と指摘した。
イ・ミンジュン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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