▲グラフィック=キム・ソンギュ
韓国教育部(省に相当)は6月16日、全国17の市・道教育庁(教育委員会に相当)に対し「中学校での生徒評価管理に関する協力要請」の文書を送付した。文書には、スマートグラス(眼鏡型の電子デバイス)関連の注意事項も盛り込まれた。スマートグラスの機能を紹介するとともに、「試験中にスマートグラスを所持していた場合は不正行為と見なす可能性がある」と生徒・保護者に告知するよう要請する内容などだ。最近、各種試験..
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▲グラフィック=キム・ソンギュ
韓国教育部(省に相当)は6月16日、全国17の市・道教育庁(教育委員会に相当)に対し「中学校での生徒評価管理に関する協力要請」の文書を送付した。文書には、スマートグラス(眼鏡型の電子デバイス)関連の注意事項も盛り込まれた。スマートグラスの機能を紹介するとともに、「試験中にスマートグラスを所持していた場合は不正行為と見なす可能性がある」と生徒・保護者に告知するよう要請する内容などだ。最近、各種試験でスマートグラスを用いた不正行為が発生しており、教育当局が危機感を抱いたというわけだ。
スマートグラスは、AI(人工知能)を搭載した眼鏡型のウエアラブルデバイス(体に装着できる情報端末)だ。普通の眼鏡のように着用し、写真・動画撮影や情報検索、電話通話、自動翻訳などの機能を使うことができる。眼鏡についているカメラが捉えた情報をAIが分析し、レンズに表示することもできる。試験中に難解な問題があった場合、スマートグラスで検索して答えを出すこともできるため、不正行為のツールとして使われる恐れがある。
しかしスマートグラスは見た目が普通のセルフレーム眼鏡と変わらず、識別が難しい。中学校に勤務するイ・ウンミ教諭(47)は「スマートフォンやスマートウオッチは試験前に一括して回収することができるが、スマートグラスは一つ一つカメラのレンズや電源ボタンがあるかを確認しなければ見分けられない」として「試験での不正行為に使われる可能性があるため、学校側が危機感を抱いている」と話した。
実際に、このところ各種試験でスマートグラスを利用した不正行為が相次いでいる。韓国TOEIC(国際コミュニケーション英語能力テスト)委員会によると、5月10日と31日に実施されたTOEICの試験会場で、スマートグラスを用いて不正行為を働いた受験者が1人ずつ摘発された。韓国産業人力(人材)公団が5月にコンピューター方式(CBT)で実施した電気技師試験でも、スマートグラスを利用して不正行為を働いた受験者3人が摘発された。
こうした中、教員たちにも「AI活用自粛令」が下された。京畿道教育庁は6月8日、期末試験の問題作成期間を迎え、教員に対し、問題作成に当たっての注意事項をまとめた文書を送り「生成型AIで作った問題をそのまま出題しないように」と通達した。教員たちに対し、AIに作らせた試験問題をそのまま試験で出題することを控えるよう求めたものだ。AIが生成した問題文の中に、出版社が出した問題集に記載されている文章や既出問題が交じっている可能性があるというわけだ。京畿道のある中学校に勤めるキム教諭(50)は「教員たちもAIにどこまで頼って授業に活用すべきか、生徒たちにはどのラインまで許容すべきなのか、頭を悩ませている」と話した。
AIを利用した学校暴力(いじめ)も増えている。京畿道竜仁市にある中学校では今年3月、1年生の生徒が別の生徒の顔を合成したわいせつなディープフェイク動画を作成し、これを流布するという事件が発生した。生成AIを使って特定の人物の顔や声を合成し、偽の写真や動画を生成して流布したわけだ。学校側はこれをいじめ事案と判断し、動画を制作した生徒に転校処分を下した。
韓国警察庁によると、昨年ディープフェイクによる性犯罪被害者のうち10代は829人で、2023年の91人からわずか2年で9倍以上に増えた。教育部によるいじめ実態調査の統計を見ると、いじめ被害のタイプのうちサイバー暴力(ネットいじめ)の割合は23年に6.9%、24年に7.4%、25年には7.8%と3年連続で増加している。生徒からのネットいじめ被害の申告件数も20年の2466件から21年に3020件、22年に3574件、23年に3422件、24年には4534件と4年で2倍近くに増えた。
イ・ナユン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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