北京五輪重量挙げ:五つの世界新を出した張美蘭(下)

北京五輪重量挙げ:五つの世界新を出した張美蘭(下)

◆総合大会でのジンクスを克服せよ

 06年末のドーハでのアジア大会で中国の穆爽爽に破れ銀メダルに終わったのが悔やまれる。釜山アジア大会、アテネ五輪に続き総合大会では3回目の銀メダルだった。張美蘭が17日のインタビューで、「今回金メダルを取ることができて“総合大会でのジンクス”と言われなくなったのがうれしい」と語ったほどだ。07年には競技以外の問題で頭を痛めた。チーム移籍問題で1カ月以上所属チームなしの状態となり、練習ができなくなった。中でも登録問題が表面化して05年に入学した高麗大学を退学していた事実までが明るみになり、悩みは尽きなかった。しかし張美蘭は07年の世界選手権でも世界新記録(トータル319キロ)で優勝した。代表チームのオ・スンウ監督は、「一度集中すれば誰にも負けない選手だ。実力でも精神力でも本当に敵なしだ」と称賛した。

◆「記録だけを見てほしかった」

 北京五輪にライバルの穆爽爽が出場しないのは確かにチャンスだったが、張美蘭は特に喜ぶような素振りも見せず、「金メダル確実という記事が多かったのでプレッシャーになった」と告白している。「漁夫の利」による金メダルではなく、誰が見ても明らかな世界一と言われるには記録を出すしかなかった。張美蘭は16日にスナッチ(140キロ)、ジャーク(186キロ)のほか、トータル(326キロ)でも世界記録で金メダルを獲得した。張美蘭は「本当にうれしいし、感謝している」と感激を隠さなかったが、すでに次の目標も定めていた。「世界選手権4連覇も達成したいし、アジア大会ではまだ優勝していない。4年後のロンドン五輪ではもっと大きな目標ができるだろう」

 重量挙げを始めて10年。張美蘭はスポーツの歴史に残る世界最強の選手となった。記録の向上にプラスになるならもっと体重を増やしたいとも語る。一方、ボーイフレンドについては「時がくればできるでしょう」と笑って受け流す。マメがつぶれて固まった厚い手を振る張美蘭はあまりにも美しかった。


北京=陳仲彦(チン・ジュンオン)記者

北京=パク・シヨン記者
【ニュース特集】2008北京オリンピック

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