【コラム】先進国のパクリではなく韓国独自の政策を

 経済官僚らは数年前まで「先進化」という言葉を頻繁に使っていた。〇〇産業の先進化対策、〇〇分野の先進化政策、といった具合だ。米国やドイツなど先進国で実施している政策を参考にしたのだから何の問題もないだろうと考えていたわけだ。

 はるか後ろから先行者を追い掛けるときは、まねすることが近道にもなり得る。しかし今年は2016年だ。韓国も世界のトップ10に入る経済力を持つ国になっている。それにもかかわらず政府の政策が外国の成功例を集めた程度にすぎないのであれば、何かが間違っている。大ヒット商品が生まれるとそのままパクってしまう飲料・製菓業界の「ミートゥー(Me, too)戦略」をあざ笑っている場合ではない。

 大統領が口を酸っぱくして強調する規制改革を何かにつけて後退させようとする官僚、大統領や首相の外出先や、かろうじて伝統市場や輸出企業に出向く官僚、「われわれの問題は現場に答えがある」とスローガンが貼られた机を離れない官僚、韓国の政策はこれらの官僚たちがつくり出す「輸入翻訳版の政策」ばかりがあふれている。サムスン電子の携帯電話ブランド「Anycall」を思い出してほしい。今でこそギャラクシーという名前に押されて消えてしまったが、Anycallの最初の宣伝用スローガンは「韓国の地形に強い」だった。「韓国経済の問題に強い」政策を立案してくれる官僚はいないのだろうか。

李陳錫(イ・ジンソク)経済部次長
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