【コラム】終わらない「呪いの韓国政治」

 李明博・朴槿恵政権を擁護するつもりはない。保守政権が10年続けば、一度政権を交代することも民主主義の理にかなう。しかし、それが別の不和や不通をはらんでいるとすれば別の話だ。朴槿恵前大統領が弾劾されたのは、国民が委任した権力を私的に使用したことが問題の核心だ。言うまでもなく、朴前大統領は大きな過ちを犯したが、だからといって、朴槿恵政権の4年余りの奮闘、政権で働いた人がかけた時間と熱情、そこに積み上げられた国家運営の知恵まですべて過小評価すべきではない。それを全て無視するところから意思疎通の不通が始まる。

 日本の「失われた10年」「失われた20年」は国家システム、経済体質、無能な政治全体に関するものであって、誰かが誰かを攻撃するためではなかった。しかし、韓国の「失われた10年」や「イ・ミョンバク・クンヘ」からは権力を握るための動物的欲望しか感じられない。相手の存在を完全無視する「相剋(そうこく)の政治」は、大統領弾劾という国家的な不幸を経験してもなお変わりがない。次の政権を握ることが有力視される人々が言う「イ・ミョンバク・クンヘ」は相剋の政治が再び始まる合図のようなものだ。大統領弾劾は争いの素材として浪費するにはあまりに重大な国家的経験だ。

 投票日はあと数日後に迫った。うんざりするような国政混乱が一段落することを望みたい。権力者がいないと経済がうまくいくと主張する人もいるが、どんな政権もないよりはマシだ。しかし、前提条件がある。新たに権力を握る人たちが権力を握っていた人たちとその時代を攻撃することで歳月を送る政治を行うならば、そんな権力はむしろない方がよい。永続すべき国家と国民に対し、数年後にはどのみち勢いを失う権力が好き勝手に振る舞う政治を続けてはならない。1週間後に大統領になる人物と権力には留意してもらいたい。

辛貞録(シン・ジョンロク)論説委員
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