【コラム】「嫌中」の流れ弾食らう韓国人

 問題が浮上しているのはパキスタンだけではない。中国が鉱物採取などのため多数の人員を送り込んでいるアフリカの一部の国で、韓国人駐在員や韓国人居住者たちは都市中心部への外出を避けている。「中国は金と雇用を奪う」という嫌中感情が現地の人々の間にわき起こっており、中国人と間違われて被害に遭っているためだ。

 一帯一路事業はあちこちで問題を起こしている。このほど、中国がパキスタンをはじめネパール・ミャンマー・タイなどで行おうとしていた一帯一路事業の一部が相次いで暗礁に乗り上げた。名目上は協力だが、資金繰りや人材調達など肝心な分野を中国が主導しようとして現地の人々の反感が高まったのが主な要因と言われている。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は中国から帰国した時、「中国の一帯一路構想と連携して、韓国の経済活用領域拡大に弾みがつくよう望む」と述べた。「新政権の外交で一貫している最高の価値は国益と国民」とも言った。一帯一路への参加が「国益」に合致するという趣旨に聞こえる。それならば、「国民の安全対策」はどうなのかと問いたい。国益も重要だし、一帯一路参加をめぐり繰り広げられる「親米・親中」紛争解決も重要だ。しかし、韓国人がテロのターゲットになる危険性にも備えなければならない。もしかして「告知さえすればいい」と考えているとしたら困りものだ。

国際部=鄭智燮(チョン・ジソプ)記者
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