【コラム】超高齢化社会に耐える日本の力

 大勢の高齢者が暮らす東京郊外に行ってみると、ゆっくり走る自動車が容易に目につく。高齢者が運転する自動車だ。車のリアウインドーにはシルバーマークのステッカーが付けてある。70歳以上の高齢者が運転していることを示しており、「子どもが乗っています」ではなく「高齢者が運転しています」という意味。走行速度が遅いこともあり得るので、理解してきちんと判断せよ、というシグナルだ。シルバーステッカー車両の前に急な割り込みをかけると、交通違反の切符を切られることもある。

 もともとシルバーステッカーは、茶色と黄色の木の葉模様だった。すると、落ち葉を連想させるという批判が出た。老いたことも恨めしいのに、落ち葉だなんて…。そこで7年前から、緑色を中心にした四つ葉のクローバー模様に変更された。年を取っても運転ができるなら、四つ葉のクローバーを付けて運転すればいいというわけだ。

 日本の総合病院には、高齢者だけを診療するクリニックがある。いわゆる老年内科だが、看板には「高齢者クリニック」とある。高齢者に対する否定的なニュアンスを減らそうという誠意の現れだ。痴呆という言葉も、「ぼけた」という意味が込められていて患者をおとしめている、という指摘に基づき、随分前に認知症と改められた。そんな認知症患者が通う診療科の看板は「健忘症クリニック」となっている。

 超高齢化社会・日本は、初期のころ老人をおとしめる風潮や高齢差別現象を経験し、できるだけ高齢化に親和的な、世代交流の雰囲気をつくり出そうともがいた。地上波テレビでも老眼鏡のCMが流れるが、名称は「リーディンググラス」だ。若い女性も一緒に登場し、マニキュアを塗るのにもいいと付け加えている。またバラエティー番組のパネリストとして、80代の俳優と20代のアイドルが一緒に出演する。韓国人の目で見ると、これはどの世代のための放送なのか見分けがつかない。

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