【コラム】拡散する盗撮被害、恥ずかしい韓国社会の現実

 最近では、昔付き合っていた彼女のプライベートな写真や動画を別れ話を持ち掛けられたことに対する報復としてソーシャルメディアにアップするなどの事例が報告され、問題となっている。一時の楽しみとして合意の上で撮影したものであったとしても、このように使用される写真や動画は、相手に身体的暴力よりも大きな精神的苦痛を与えることになる。

 盗撮犯罪に怒りをあらわにした一部の女性たちは、復讐(ふくしゅう)の意味を込めて男子トイレに隠しカメラを設置し盗撮を行い、ネット上にアップしている。映像技術の発達は、悲しくもでたらめな場所でその力を発揮しているのだ。小説『82年生まれのキム・ジヨン』には、職場の同僚が主人公を訪ねてきて、会社のトイレで盗撮に遭った心境を打ち明けるシーンが記されている。

 「私、実は精神科に通っているの。何気ないふりをしながら、わざと大げさに笑ったりしているけど、本当は気が狂いそうなの。知らない人と目が合っただけでも『あの人は私の写真を見ただろうか』と考えるようになったし、誰かが笑うとまるで私をあざ笑っているように思えてくるの。この世の人々全員に見られているような気がするの」

 盗撮は、世界中の人々の前で、レンズの前で、自分の裸がクローズアップされるのと同じだ。どうせなら、全部脱いで光化門の交差点を歩き回った方がまだましだ。あなたの家族やあなたの姿が撮影されて、世界中に広まったとしたら、一体どんな気持ちになるだろうか。それでも見たいと思うのか。

チョ・インウォン・マルチメディア映像部部長待遇

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