高所得層と低所得層の格差5.5倍に、韓国で二極化が進行

 今年上半期に所得格差が最悪の状況に至ったことを受け、韓国政府は小規模事業者、自営業者など低所得層の所得向上に向けた対策を繰り出した。しかし、7-9月期の家計所得統計を見る限り、政策は効果を上げていない。

 上位20%の平均所得を下位20%の平均所得で割った比率は7-9月期に5.52倍となり、前年同期(5.18倍)に比べ倍数が0.34拡大した。7-9月期としては、2007年(5.52倍)と並び、過去11年間で最大の開きとなった。政府が巨額の税金をつぎ込み、家計の移転所得(補助金、年金、手当など生産活動に関わりなく個人が政府などから受け取る収入)を増やしたにもかかわらず、低所得層と高所得層の所得格差が拡大した格好だ。

 今年に入り、所得の二極化が深刻化したという調査結果が2四半期連続で示されたことを受け、政府は今夏、さまざまな低所得層所得支援策を発表した。9月に基礎年金の上限を21万ウォン(約2万1000円)から25万ウォン (約2万5000円)に引き上げたほか、今年下半期に高齢者3000人を雇用するなど、来年までに公共部門で雇用を9万人以上増やす計画を打ち出した。政府は「低所得層が直面している困難を厳しく認識し、改善努力を行う。支援政策の効果が来年から本格的に表れれば、低所得層の所得状況は徐々に改善するとみられる」と説明した。

 しかし、経済専門家は「所得は結局雇用から生まれるものなので、雇用環境の改善なしで税金を投入した政策だけでは限界がある」と指摘する。7-9月期の就業者数の伸びは7月が5000人、8月が3000人、9月が4万5000人だった。

イ・ジュンウ記者
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