【コラム】北朝鮮スパイを見逃さないフランス

 フランスは思想の自由が徹底して保障されている国だ。社会主義の伝統も根強い。ケネディ1人が活動したからといって、遠くの北朝鮮によってフランスが何らかの影響を受けるとは考えにくい。それでも国の安全にとって脅威になりかねないと判断されれば、フランスはためらうことなく身柄を拘束し処罰する。ただし裁判はまだはじまっておらず、ケネディの詳しい容疑についても何も伝えられていない。しかし反逆罪が適用されていることから「自発的な親北活動にとどまらず、何らかの指令を受けて動いてきた物証が確保されたのでは」との見方もある。

 先日ソウルでは金正恩氏をあからさまに称賛する集会が都心の光化門で開催され、多くの市民を驚かせた。文在寅(ムン・ジェイン)政権が進める南北和解の雰囲気に心高ぶる市民も少なくないだろう。しかし韓国と北朝鮮は今なお軍事的に対峙しており、北朝鮮は核兵器開発をやめようとしない。また北朝鮮の人権問題に改善がみられたとの情報も伝わってこない。つまり本質も現状も全く変わっていないのに、活発なのは大韓民国の自由民主主義体制を揺るがす動きばかりだ。これを監視すべき立場の方たちは、今回のフランス政府の対応をしっかりと参考にしてほしい。韓国では今ほどケネディのようなスパイが活動しやすい時期はこれまでなかったのではないか。

パリ=孫振碩(ソン・ジンソク)特派員

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