【コラム】中国に軽んじられる文大統領がフィンランドで見るべきだったもの

 1939年10月、ソ連はフィンランドとバルト3国に領土の一部を割譲するよう要求した。フィンランドだけがこれを拒否したので、ソ連は翌月50万人の軍隊で12万人が守るフィンランドに侵攻し、フィンランドに膝を屈させた。冬戦争と呼ばれるこの戦争で、ソ連軍の戦車部隊を防いだフィンランド軍対戦車部隊の兵士は70%が戦死した。しかし本当にダメージを受けたのはソ連だった。生身の体で戦車に飛び付き、戦車砲の中に銃を撃つフィンランド軍スキー部隊の勇敢さにソ連軍は苦しんだ。戦争が終わって数えてみると、ソ連軍の戦死者はフィンランド軍の8倍に達していた。その後の第2次冬戦争まで含めると、フィンランド軍の戦死者は約10万人、ソ連軍は約50万人が戦死した。ソ連はその後、フィンランドに攻め込むことはなく、欧州連合(EU)への加盟にも反対しなかった。

 中国のトウ小平は1979年「小さな友人が言うことを聞かないので、尻をたたいてやる」と言ってベトナムに侵攻した。これに対してベトナムは全土に総動員令を出して抵抗し、中国はわずか1カ月で撤収した。今年はこの中越戦争から40周年だが、中国はこの戦争について今も一切言及しない。

 小国が大国に勝つのは難しい。しかし大国が勝手に振る舞えないようにすることはできる。ところが韓国は正反対だ。朝鮮王朝時代末期もそうだった。清日戦争で勝った日本が高宗に「清からの独立」を要求すると、高宗は宗廟(そうびょう)でこれを宣布した。しかし後に清から報復されることを恐れ、一行の規模を小さくしてわずか4人の小さな輿(こし)に乗った。このように卑屈な態度を示す朝鮮を中国人や日本人は尊重するだろうか。朝鮮はその時からすでに滅んでいたのだ。

 ファーウェイ問題で中国が再び韓国に圧力を加えているが、これも韓国の態度が変わったからというよりも、「韓国を追い込めば自分たちの言いなりになる」と考えているからだ。このままでは「フィンランド化」ではなく「韓国化」という言葉ができてしまうのではないだろうか。

金泰勲(キム・テフン)出版専門記者・論説委員
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