申智愛のインスタグラムを見ると、「勝って幸せ、負けても感謝」だ。ゴルフはもちろんのこと、家族や友人、趣味など、さまざまな人間関係や生活の中で幸せと感謝を探し出し、そしてつづっている。「私はもともと小さな幸せを見つけるのが大好きです」と言いながら、申智愛は笑みを浮かべる。苦しい環境の中で血と汗と涙の努力の揚げ句に成功した韓国での申智愛、頂点の栄光とスランプの苦杯を共に経験した米国での申智愛、そして今では日本での生活が6年目となり人間的にもさらに成長した、新たな申智愛の姿があった。
「あまりにも幼くして夢を達成してしまいました。新しい夢にチャレンジすると、以前のように苦労することが目に見えていたので、しばらくの間は一切目標も立てませんでした」。申智愛は「周囲の期待をよそに、人生で自分の思い通りに作り上げていくことができるものがあるとすれば一体何なのか、それが知りたかった」と言う。2014年に米国から日本にツアーを移した理由の一つだった。
日本ツアーでの成績は、2014年に4勝(賞金ランキング4位)、15年に3勝(同3位)、16年に3勝(同2位)、17年に2勝(同5位)、18年に4勝(同2位)だ。毎年もう少しのところで賞金ランキングトップになれるところまで善戦するものの、結局は手にすることができなかった。「射程圏内に入ってくるため、欲望が大きくなり、力んでしまうのが問題」と自己分析する。「現在は左足の負傷がスイングに影響を与えていますが、むしろ力を抜くにはこれくらいがちょうどいいと思っています。私は塞翁之馬(さいおうのうま)という四字熟語が好きです」