狂牛病虚偽報道の『PD手帳』プロデューサーら、文政権下でMBC要職に昇進

当時のチーフ・プロデューサーは企画調整本部長

番組進行役は光州MBC社長に

 MBCの時事番組『PD手帳』は李明博(イ・ミョンバク)政権時代の2008年4月に放送した『緊急取材:米国産牛肉、果たして狂牛病(牛海綿状脳症〈BSE〉)から安全なのか』編を通じて韓国社会を恐怖と混乱に陥れた。このため、「米国で『人間狂牛病』により人間が死亡した」「狂牛病にかかった牛を食肉処理して韓国に輸出する」という認識が全方位的に広まった。その結果、3カ月が過ぎても「米国産牛肉輸入反対」デモが続き、韓国社会はひどく混乱した。だが、当時『PD手帳』が作った映像や画像は歪曲(わいきょく)・操作疑惑をもたらした。特に重大ファクトとして提示された「人間狂牛病」が疑われる症状で死亡したという20代の米国人女性の母親のインタビュー過程などで歪曲疑惑が持ち上がった。

 『PD手帳』制作スタッフは当時の報道により複数の名誉毀損訴訟に直面した。3年以上続いた訴訟の末、2011年9月に大法院で「故意による名誉毀損(きそん)はなかった」という趣旨で無罪が確定した。しかし、『PD手帳』が放送した主な内容については虚偽だと判断した。▲「人間狂牛病」が疑われる症状で死亡した米国人女性を「実際に狂牛病にかかった」というように断定した部分 ▲座り込む症状を見せるダウナー牛症候群の牛がまるで狂牛病に感染したかのように編集した部分 ▲韓国人が狂牛病にかかった牛を摂取した場合、人間狂牛病を発症する確率が約94%とした部分、などだ。

 このようにとてつもない物議を醸した『PD手帳』制作スタッフは、文在寅(ムン・ジェイン)政権になってからMBCの経営の前面に立つようになる。当時『PD手帳』責任プロデューサーを務めていたチョ・ヌンヒ氏は企画編成本部長を経てMBC企画調整本部長取締役を務めており、番組の進行を務めたソン・イルジュン・プロデューサーは現在、光州MBC代表取締役社長だ。現場取材を担当したイ・チュングン・プロデューサーは時事番組『実話探査隊』プロデューサー、キム・ボスル・プロデューサーは広報チーム長を務めている。

シン・ドンフン記者
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