【コラム】日本で在宅勤務が難しい理由

新型コロナ感染拡大でも印鑑押すため出勤…
「長年の習慣との決別」が難しい日本社会は何処へ

 日本で在宅勤務が拡大しない状況は統計でも確認できる。IT企業のグーグルが今月3日、新型コロナの感染拡大と在宅勤務の関連性を調査し発表した。米国では職場への出勤が38%減少した。一方、日本ではわずか9%の減少にとどまった。日本の厚生労働省がLINEと共に8300万人を対象に実施した調査結果もほぼ同じだった。「テレワークを実施している」と答えた人の割合は5.6%にすぎなかった。

 日本はITが発達していない国というわけでもない。東京都心のインターネットのスピードは、韓国に引けを取らないほど速い。渋谷にはロボットが接客するカフェがあるほどだ。それにもかかわらず、日本の生活の中心は依然として対面文化だ。良し悪しは別として「アナログ的」という感じだ。

 日本の外務省は2-3か月ごとに、広域地方自治体と共に地方PRイベントを開催する。そのたびに外務省は郵便で分厚い招待状を送ってくる。肩が痛くて通っている病院では、クレジットカードが使えない。その病院の1階にある薬局では「お支払いは現金のみ」と言われる。郵便局も同じだ。

 日本では新型コロナウイルスへの感染の有無を調べるPCR検査が十分に行われていないという批判が国内外で起きている。安倍政権が厳格なマニュアルを作成し、PCR検査を積極的に勧めていないという理由が大きい。一方では、社会全体として「なじみのない物事を嫌い、決められた規範には順応しつつも変化には消極的」という文化のせいもあるのではないだろうか。

 これからの時代は、新型コロナ問題発生以前のBC(Before Corona)と、コロナ終息以降のAC(After Corona)に分けられるだろう。AC時代は社会全体がもう少しスピーディーで柔軟になるよう求められる。そうなるためには新しい文化への移行が必須となるが、日本は「長年の習慣との決別」を惜しむ段階にあるようだ。

李河遠(イ・ハウォン)東京特派員
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • 【コラム】日本で在宅勤務が難しい理由

right

あわせて読みたい