韓国プロ野球LGツインズのフューチャーズ(二軍)の先発投手、ソン・ジェホンが8月4日、京畿道利川市のLGチャンピオンズパークでハンファの先頭打者、チョ・ハンミンに初球を投じた。チョン・ウンジェ主審は、ボールが捕手のミットに収まってからしばらくしてストライクを宣言した。KBO(韓国野球委員会)リーグで初めてストライクとボールを自動で判定するシステム「ロボット審判」が活動を開始した歴史的な瞬間だった。KBOは、同日の試合を皮切りに今年10月7日まで行われる2軍の計26試合で、ロボット審判をテスト運用する。2022年の1軍リーグへの導入をにらんでいる。
■通常より2秒遅いボール判定
ロボット審判は実際のロボットではなく、コンピューター・プログラムだ。球場の内・外野に設置された3台のカメラが測定した投球の軌跡と位置情報を基に独自設定したストライクゾーンを適用。ストライクかボールかを判定する役割を担う。主審はこのコールを受信するため、普段着用しているプロテクターのほかに、左後ろのポケットにはアプリケーションをインストールしたスマートフォンを、そして耳にはイヤホンをそれぞれ着用する。主審はストライクとボールの判定だけを「ロボット」に頼り、その他の判定はすべて自主的に下す。
ロボット審判が活動するのは球場内の運営室。打者が打席に立つたびに長方形のストライクゾーンがコンピューター画面に表示され、投手がボールを投げると軌跡も画面に現れる。その後、コンピューターのスピーカーから「ボール」、または「ストライク」という機械音が発せられる。この音は審判のイヤホンにそのまま転送される。
しかし同日、主審のストライク・ボールの宣言は、普段よりも2秒程度遅かった。ロボット審判が判定を下し、主審に伝えられるまでに要する時間のためだ。同日、6回無失点をマークしたLGのソン・ジェホンは「ボールが捕手のミットに収まった直後ではなく、捕手から投手にボールが返球されるタイミングで判定がコールされるため、ややテンポが狂わされた」とコメントした。チョン・ウンジェ主審も「審判と選手が判定を待つことになるため、試合の緊迫感が低下し、流れが途切れる感じがした」と話す。