■「重要技術人材、国家が保護すべき」
技術人材の露骨な引き抜きについて、業界は中国がそれだけ焦っていることの証だと受け止めている。米政府は華為技術(ファーウェイ)をはじめとする中国のハイテク企業数十社をブラックリストに登録し、米国企業との取引を禁止した。中国は2025年までに半導体の自給率70%を達成する「半導体崛起」を夢見ているが、米国などのけん制で現在の自給率は15.7%にとどまっている。
外部から重要部品などの供給を受けることが難しくなると、中国企業は「技術自立」を試みている。華為は部品自立化のため、「南泥湾」プロジェクトを開始。長江存儲科技(YMTC)は今年末に128層NAND型フラッシュメモリーを量産すると発表した。中国のファウンドリー、中芯国際集成電路製造(SMIC)は今年、昨年の2倍の67億ドル(7115億円)の設備投資を進めている。
業界からは政府が率先して先端技術人材の中国への流出を阻止する対策を打ち出すべきと指摘する声がある。韓国半導体産業協会のアン・ギヒョン常務は「職業選択の自由があり、技術人材の移籍を無条件で阻止することはできない。重要技術の保有者を国家が率先して保護する仕組みが必要だ」と指摘した。科学技術政策研究院のペク・ソイン副研究委員は「国家安全保障技術の基準をさらに強化するなどの対策を通じ、先端技術と人材の流出を防がなければならない」と提言した。