トランプ大統領も金正恩氏と板門店で会う直前の2019年6月、金正恩氏に送った書簡で「あなたと私は独特なスタイルと特別な友情を持っている」と伝えたことをウッドワード氏は明らかにした。さらに同年6月30日、板門店で会った後に金正恩氏に送った手紙では、二人の写真が掲載されたニューヨーク・タイムズ紙1面のコピーを添付して送り「あなたと一緒にいたことは、本当に驚くべきことだった」との考えを伝えた。トランプ大統領は金正恩氏との「ケミ(呼吸)」について「あなたが女性に会った場合、1秒で事態が進展するかどうか分かる。10分、6週間ではない。1秒もかからない」と表現した。
ところがそれから1カ月後、金正恩氏は「失望した恋人」のような手紙を送ってきたとウッドワード氏は伝えた。金正恩氏は韓米軍事訓練が完全に中止されなかったことに不満を表明し「私ははっきりと気分が悪く、あなたにこのような感情を隠したくない。本当にとても不快だ」と伝えた。
ウッドワード氏は2017年、トランプ大統領が北朝鮮に向け「火炎と怒り」と言及し、米朝間で緊張が高まった際、当時のマティス国防長官が北朝鮮との戦争を懸念し、服を着たまま眠ったことを明らかにした。またマティス氏が国の運命について祈るため、ワシントン大聖堂に何度も足を運ぶなど、戦争の危機が高まっていたことも伝えている。
一方でトランプ大統領は10日、ツイッターに「金正恩氏は健康だ。絶対に彼を過小評価してはならない」と書き込んだ。追加の言及はしなかったが、ウッドワード氏の書籍の内容公開や、金正恩氏の「健康異常説」などを念頭に置いたとの見方も出ている。