【寄稿】「青瓦台はいつも『朴正煕の亡霊』に追われている」

大統領の人気が低下しているのは、大統領でさえも困難と思われる業務を、国民は「できる」と期待しているため
「朴正煕コンプレックス」から脱し、国民個々人の幸せに焦点を合わせ、新しい政治ビジョンを提示すべき

 このような態度は論理的なものではない。数年前、金大中(キム・デジュン)元大統領が故郷である荷衣島を訪問したことがあった。そこへ行けば、多くの誇らしいDJ(金大中元大統領)ファンたちに歓迎されるものと期待していたが、実際は大きく異なっていた。そこに住む住民たちも、金元大統領に対して多くの不満を抱いていたのだ。IMF(通貨危機)を克服し、史上初の南北首脳会談を開催。女性の人権伸張など数々の課題を達成したものの、住民は「しかし、私たちのために何をしてくれたのか」と不平をもらしていた。ある政治学者はこのような現象について次のように説明する。「青瓦台は常に『朴正煕(パク・チョンヒ)の亡霊』に追われている。国民は毎回、新任大統領たちが少なくとも朴正煕元大統領ほどの業績を挙げてくれるものと期待している」

 朴正熙元大統領が、貧困にあえいだ1960年代、韓国を絶対権力を活用して18年間統治し、目覚ましい経済発展を成し遂げたことは立派なことだ。しかし、今は時代が違う。大統領は法律によって制約を受け、グローバルな低成長は普遍的な法則となった。しかも、任期はたったの5年だけだ。それも最初の1年は適応期間、最後の1年はレームダック(政治家が政治的な権力・影響力を失うこと)として過ごすとすれば、実働は3年でしかないのだ。

 ところで、なぜ国民は依然として大統領が私たちの生活を劇的に向上させてくれると期待するのか。多くの人々は、韓国式「帝王的大統領制」には多くの問題が潜んでおり、これを大統領と首相が権力を分け合うフランス式や、大統領が象徴的国家元首であり議会で選出された首相が権力を持つドイツ式、に改善すべきだと指摘する。しかし、そうやって制度を変えたからといって、国民の心の中に込められた大統領への期待値を低減することはできないのではないだろうか。依然として「朴正煕コンプレックス」に苦しまなければならない大統領だとすれば、正常な意味でのリーダーシップは発揮することが困難と言える。

■世界最高の国ランキング1位はスイス、韓国は20位、日本は?

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 【寄稿】「青瓦台はいつも『朴正煕の亡霊』に追われている」

right

あわせて読みたい