【コラム】「ファクス・ジャパニーズ」 

日本の国会議員にインタビューしようとすると「コンビニからファクスで送ってくれ」
「強弱弱強」の日本の政治文化は菅首相の時代に変わるか

 日本の外務省がレセプションを開催するときも同じだ。東京駐在の外交官や特派員はファクスで返答することがマニュアル化している。「電子メールでは駄目か」と問い合わせたところ、やはり親切な声で担当者に拒否された。

 日本のファクス文化は今回のコロナ事態で一種の社会問題になった。東京都がファクス2台で1400万人いる東京都民の健康状態を把握している実態が知られ、大きな問題になったのだ。都内にある31の保健所からファクスでコロナ感染者についての報告が送られ、現場は大混雑したため、感染者数の漏れや重複などが発生したのだ。

 日本は地球から3億キロ離れた小惑星に探査船を送るほど科学技術が発達した国だ。月に宇宙飛行士を送る米国のアルテミス計画にもパートナーとして協力する。このような国でファクスにこだわる不調和を目の当たりにすると目まいがする。日本人は「パックス・ジャパニーズ(日本による平和)」を夢見てきたが、実際はファクスを利用する「ファクス・ジャパニーズ帝国」の成立に成功したようだ。

 ファクスは送る側は面倒だが、受信する側はすぐに文書を自宅で確認できるという特徴がある。そのためアナログ時代における縦の関係を象徴するとされている。日本社会は今なお自民党という巨大政党と官が強大な力を持っている。そのため自分たちだけに便利なファクスにこだわる傾向がある。日本社会は「強者には弱く、弱者には強い」という意味の「強弱弱強文化」が残っていると批判を受けてきた。これらが乙の立場に配慮しないファクス文化として現れているのではないか。

 先月就任したばかりの菅義偉首相はデジタル庁の設置、官公署での脱はんこと共に、縦割りの見直しを重要な課題として掲げている。これらの改革が結果を出し、古い時代の文化が見直され、韓国にも新たな刺激になることを期待している。

東京=李河遠(イ・ハウォン)特派員

■韓国が「デジタル政府評価」で1位、日本は5位、TOP10は?

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