勝者独占の大統領制、死ぬか生きるかの二大政党制、国民衆愚化の道具であるSNS。これらが結合し、民主主義の脅威となっているのは米国だけのことだろうか。米国で大統領が王とするなら、韓国の大統領はそれ以上の「至尊」だ。二つの政党が死ぬか生きるかの戦いを繰り広げるのも米国以上だ。韓国のSNS政治技術はおそらく世界最高だろう。
韓国は大統領王国でありSNS王国だが、これを変える方法はない。「国民は自分の意志で大統領を選ぶ」と言われるが、それでも未練を持ち続ける。このような状況で韓国でも「サイコパスの資質」を持つ政治家がすでに登場しており、あるいは登場する予定だ。彼らはトランプ大統領ほど露骨ではない。仮面をかぶりながらうまくショーをやる。しかし世の中を見る目はゆがんでおり、他人に対しては過度な敵対心を抱いている。他人には過酷で、自分たちには寛大だ。自分たちの側の勝利と利益は国の将来以上に優先される。うそを演劇のせりふのように口にし、それがばれても恥ずかしいとは思わない。間違いを正すどころか強弁し、逆ギレしながら目をむく。傲慢(ごうまん)と我執の固まりだ。外から見える姿と実際の姿があまりにも違う。この全てにSNSがうまく利用されている。
トランプ大統領はシリアからの撤退という軍事面・外交面での重大な決定を合同参謀本部議長に一言も相談せず、ツイッターで最初に知らせた。韓国にもこのような大統領が間違いなく登場するだろう。もしかするとその日が近づいているのかもしれない。
楊相勲(ヤン・サンフン)主筆