【コラム】自国では帝王、海外では仲間外れ

帝王のように君臨し外に目を向けない運動圏政権の自閉的世界観が大韓民国の進路を孤立の方向に逆走させている

 他国はなぜこの「重大災害法」を制定しないのだろうか。厳しい処罰だけでは労働災害を事前に防げないことを知っているからだ。韓国はすでに労働災害に伴う処罰が十分に厳しい国だ。安全、保健、環境に関する規制を守らず、それによる事故を理由に事業主を処罰する法律は63、罰則の規定は2555に達する。24歳の非正規社員だったキム・ヨンギュンさんの事故をきっかけに、産業安全法における処罰も大きく強化された。しかし「キム・ヨンギュン法」施行後も労働災害は減少しなかった。現場でしっかりとルールを守らないからだ。いくら厳しく罰し、強い規制をかけても、現場の意識が変わらなければ意味がない。経営者を刑務所送りにして解決するのであれば、同じような法律は世界の標準になっていたはずだ。

 文在寅政権の政権運営は世界とは別の「われわれ式」が特徴だ。「所得主導成長」は文在寅政権が初めて実行する世界を見回しても前例のない実験だ。もしこれが成功すれば、経済学の教科書を新たに書き換えねばならない。「馬車が馬を引っ張る」と言われる奇跡を実現する結果となるからだ。ただひたすら規制ばかりの不動産政策は、それ自体が世界的に話題となるに十分だ。供給もない状態で不動産価格を押さえ込もうとする政府はこの世の中に存在しないからだ。何でも金で解決する税金万能主義、官主導の「大きな政府」、民間ではなく公共に重点を置く雇用対策など、全てがグローバルなトレンドに逆行するものだ。

 どこの国の政府も自国の企業が競争に勝ち抜けるよう支援する政策を進める。しかし文在寅政権は正反対だ。激しい生存競争に立ち向かう企業に対して政府は後ろからタックルを仕掛けている。文在寅政権は「企業規制三法」として他国には存在しないか、あるいはあまりにも過激な経営権への攻撃手段を導入した。週52時間労働は世界で最も硬直した非弾力的構造として設計された。政府が先頭に立って企業を海外資本の攻撃にさらし、夕方には研究所の明かりを消させた。最初からグローバル競争で落ちこぼれさせるつもりだったかのようだ。

■「アジア・パワー指数」1位は米国、韓国7位…日本は?

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  • ▲2017年12月に文在寅(ムン・ジェイン)大統領夫妻が国賓として中国を訪問した際、北京現地の飲食店で朝食を取ったときの様子。当時、文大統領は3泊4日の日程中、10回の食事のうち8回を韓国の関係者のみと同席し、「一人めし」などと指摘された。/NEWSIS

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