【社説】被疑者・李盛潤と公捜処長のおかしな面談

【社説】被疑者・李盛潤と公捜処長のおかしな面談

 幹部公務員の犯罪を捜査する高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の金鎮ウク(キム・ジンウク)処長が金学義(キム・ハクウィ)元法務部次官に対する不法出国禁止事件を検察に再移管するのに先立ち、事件の重要被疑者である李盛潤(イ・ソンユン)ソウル中央地検長と面談していたことが16日、国会法制司法委員会で明らかになった。李地検長は2019年、検事が虚偽公文書で金学義元次官の出国を不正に禁止した同事件を検察が捜査しようとした際、圧力をかけて捜査を阻んだ疑いが持たれている。李地検長は容疑を否認し、検察に事件を公捜処に移管するよう求めて貫徹した。政権が新たに設置した公捜処から免罪符を受ける計算だったのだろう。

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 捜査機関トップが事件処理を巡る重要な決定を控え、被疑者と会うことは公正性の面で問題とならざるを得ない。金鎮ウク処長の李地検長との面談は、李地検長側の求めで行われたという。李地検長は大統領の手足として、青瓦台の蔚山市長選工作、オプティマスファンド詐欺、チャンネルA事件など政権の不正に対する捜査を阻んでいる人物だ。その役割で次期検察総長にも名前が挙がっている。そんな人物が自身の被疑事実について、自身を捜査する公捜処長と会ってもよいのか。

 金鎮ウク処長と李地検長の面談内容も明らかになっていない。金処長は面談で不法出国禁止事件に関する基礎的な調査内容を捜査報告に盛り込み、検察に伝えたとされる。しかし、検察は「公捜処から送付された記録には調査内容を記録した調書や面談内容を記録した書類はなかった」と説明した。面談者、被面談者、面談時間が記載された捜査報告だけを公捜処が送ったというのだ。李地検長はこれまで検察の出頭要求を数回無視したのに続き、金処長との面談で既に調査を受けたという口実で今後の検察による捜査を拒否する可能性もある。

 金鎮ウク処長は李地検長と面談後、金学義元次官の不法出国禁止事件を検察に再移管し、異例の条件を付けた。検察捜査チームが被疑者の容疑を確認しても,起訴するかどうかは公捜処が判断するというものだ。検察捜査チームは「驚くべきおかしな論理だ」と主張した。公捜処は発足時から「政権護衛目的」と疑われてきた。その実体は間もなく明らかになるだろう。

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