自ら命を絶ったLH坡州事業本部の職員の話は残念だ。彼は5年前、坡州に土地を購入した。大規模な宅地地域とは関係なく、農業以外に用途がない袋地だという。5年間で相場は値上がりしなかった。少なくとも「農夫文在寅(ムン・ジェイン)」程度は農夫らしく農業を営んだ。自分の担当地域で土地を購入したことを恐れたのだろうか。文在寅大統領は金宜謙氏が青瓦台を離れる日、食事を共にし、「どこに住むつもりか」と心配した。金宜謙氏は間もなく国会議員になった。図々しく持ちこたえ、開き直って騒ぐほどうまくいく世の中だ。文在寅政権がそうであったし、この政権が続く限りそうであるはずだ。
文大統領は青瓦台での会議で「不動産の積弊を清算する」と述べた。積弊の具体的内容はあいまいだ。本人も分からないのだろう。他人に責任をなすりつけようとした政治的なレトリックだからだ。国民の認識は異なる。権力機関に腰を下ろして投機に走った金宜謙氏、公職を捨ててソウル江南の住宅2戸を守った金照源(キム・ジョウォン)氏、金宜謙氏の波紋で青瓦台が揺れた際、タイに居ながらソウル市永登浦区楊坪洞の住宅を購入し、1億4000万ウォンを稼いだ大統領の娘ダヘ氏、そして、規制と扇動で一瀉(いっしゃ)千里に住宅価格を高騰させる政策を国民は不動産の積弊と呼ぶ。文大統領は「LH事件を見て、国民は根本的解決策を求めている」と述べた。それは違う。金宜謙氏を見た当時から、青瓦台のデタラメ政策が住宅価格を垂直上昇させた瞬間から解決策を求めてきたのだ。