不動産失政を光州事件の戒厳軍に例えた風刺漫画が物議「特別法で処罰」「表現の自由」

 韓国の国家報勲処は最近、5・18民主化運動(光州事件)を中傷したとして論議を呼んだ日刊紙の風刺漫画について、「5・18民主化運動などに関する特別法」(5・18特別法)による処罰を検討すると表明した。政界、法曹界、文化界では憲法に保障された表現の自由を侵害する恐れがあるとする論争が起きている。

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 国家報勲処の李南雨(イ・ナムウ)次長は22日、国会に出席し、問題の風刺漫画について、「非常に不適切だ」とし、「5・18の写真をそういう形で活用したこと自体が5・18に対する中傷であり、犠牲者に対する侮辱だと考える」と述べた。李次長は問題の風刺漫画を5・18特別法で処罰できるかどうかについて、「法律の内容をみて検討する」と語った。

 大邱市で発行される地方紙、毎日新聞は今月19日付の風刺漫画で文在寅(ムン・ジェイン)政権の不動産政策などを5・18当時の戒厳軍による鎮圧に例えた。漫画は健康保険料、財産税、総合不動産税をそれぞれこん棒を持った戒厳軍に擬人化した。戒厳軍に暴行を受ける9億ウォン(約8600万円)超の住宅1戸保有者は当時の光州市民として描写された。これに対し、風刺漫画を掲載した新聞社を処罰すべきだとする請願が青瓦台にあり、5・18関連団体も新聞社に謝罪を要求した。

 今年1月に施行された5・18特別法によると、5・18に関する虚偽事実を広めた者は5年以下の懲役、5000万ウォン以下の罰金に処される。しかし、権力風刺を目的とする風刺漫画は虚偽事実を広める行為とは見なせないというのが法曹界の指摘だ。

 文化界からは懸念が示されている。文学評論家のイ・ビョンチョル氏は「問題の風刺漫画の不適切性などを指摘し、論争する作業は市民社会の領域で行われるのが望ましい。国家権力機関による処罰までいけば、表現の自由の侵害や行き過ぎた政争など不必要な論議を呼び、別の対立と分裂を起こしかねない」と指摘した。

 これに関連し、国家報勲処は「風刺漫画に対する処罰を公式に検討しているわけではない」とし、「李次長が国会答弁の過程で原則論的な話をしたものだ」とコメントした。

ウォン・ソンウ記者
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  • ▲毎日新聞が19日、ウェブサイトに掲載した風刺漫画(上)。文在寅政権の不動産政策などを5・18民主化運動(光州事件)当時のこん棒を手にした戒厳軍にたとえ、論議を呼んだ。下は5・18当時、戒厳軍が倒れた市民を殴る様子。/聯合ニュース

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