中国工場の稼働率増、韓半島のPM2.5もコロナ禍以前の水準まで上昇

長江三角州海沿いの工場地帯で発生した汚染物質が南西の風に乗って韓半島へ
最近は内モンゴルで高温現象...黄砂も度々発生し泣きっ面に蜂

 さらに上海一帯の長江三角州とその海沿いには工場地帯が多く、ここから発生した汚染物質が南西の風に乗って韓半島に直接流れ込んでいる。韓国としては(1)中国からの粒子状物質が直接流入(2)黄砂による粒子状物質の増加(3)中国から飛来する汚染物質を通じた微小粒子状物質の合成という、これら三つの悪材料が重なることになる。亜州大学環境安全工学科のキム・スンテ教授は「中国から飛来する汚染物質は韓国の上空で化学反応を起こし、新たな粒子状物質が発生している」「あたかも河の上流からさまざまな汚染物質が流入するように、複数の経路から粒子状物質が飛来する形だ」と説明した。

 今年3月から本格的に運用が始まった環境人工衛星「千里眼(チョンリアン)2B」も長江三角州一帯で高濃度二酸化窒素(NO2)が発生している様子を撮影している。中国の公式資料によると、長江三角州で測定されたNO2の数値は今年1-3月には1立方メートル当たり23-43マイクログラムを記録したが、これは昨年の同じ時期(18-33マイクログラム)よりもはるかに多い。最近になってこの地域における工場稼働の再開や自動車の運行増加によってコロナ以前のレベルにまで戻ったと推定されている。

 度重なる黄砂も韓国にとって頭が痛い問題だ。国立気象科学院のキム・ジョンウン研究士は「通常の黄砂は数十から数百マイクロメートルの大きな粒子だが、これに小さい粒子も混じって韓半島に流入する恐れがある」と警告した。韓国における3月時点でのPM2.5濃度は2019年には1立方メートル当たり39マイクログラム、20年21マイクログラム、今年は27マイクログラムと再び増加傾向にある。林議員は「韓国独自の厳しい粒子状物質低減の努力を今後も続ける必要がある」とする一方で「コロナからの回復期に中国とのより実質的な大気汚染対策の協力が必要だ」と指摘した。

■「世界で最も住みやすい国」2020年版発表、韓国17位、中国100位、日本は?

宣政敏(ソン・ジョンミン)記者
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