だが、江南で地域開発が行われると、明洞の地位は揺らいだ。金融の中心地という地位も汝矣島に譲った。それでも全国で最も地価が高い場所は今も明洞だ。化粧品ブランド「ネイチャー・リパブリック」明洞店がある土地が18年連続で公示地価全国1位だ。1平方メートル当たりの公示地価が2億650万ウォン(約2000万円)、1坪当たり(=3.3平方メートル)で6億8000万ウォン(約6600万円)を超えるという高い土地だ。明洞が活力を取り戻したのは10年以上前からだ。世界金融危機で不況になっても、明洞はむしろウォン安で特需を享受した。韓国人ではなく日本人・中国人観光客が集まり、明洞は「Kファッション」「Kビューティー」商品を売る観光コースになった。
ところが、新型コロナウイルス流行で外国人観光客がいなくなると、明洞は特に致命的な打撃を受けた。賃貸料が高い1階部分の空室率は約60%に達するという。「明洞」ではなく「暗洞」になってしまった。観光客が戻ってくればある程度、売上が回復するだろうが、化粧品を爆買いする中国人観光客ばかり当てにしているなら、「100年にわたる商業地」明洞の名声を取り戻すには不十分だろう。
カン・ギョンヒ論説委員