スイスのアニボティックスが制作した「アニマル」(ANYmal)は、危険な建設現場で人の代わりとして作業する。アニマルは四つの足を利用して狭い空間や急な階段を上り下りしながら発電所、工場、海洋掘削場のような産業現場を点検する。自ら電気コンセントを探し出して充電する機能も備えている。映画『アイアンマン』に登場するトニー・スタークが装着した外骨格スーツロボットも商用化された。米軍需企業のサーコス・ディフェンスが開発した「ガーディアンXO」は、デルタ航空が現場で活用しており、米国空軍、海軍、海兵隊にも納品されている。このロボットを着用すれば、内部にいる人は力を入れずに最大で200ポンド(約90キロ)の物を持ち上げることができる。負傷の恐れもなく、労働者や軍人が作業できるのだ。
■アンドロイド観音まで登場
中には驚きのロボットもいる。400年以上の歴史を誇る京都の寺院「高台寺」には、2019年に「マインダー」というアンドロイド観音が登場した。アルミニウムで作られたマインダーは身長183センチ、体重32キロで、顔には人の皮膚に似たシリコンが使われている。女性または子どもの声で説教したり念仏を唱えたりする。寺院側は今後マインダーに信者たちと会話させるほか、カウンセリングの用途にも活用していく計画だ。このほか、日本のソフトバンクが製作した多目的ロボット「ペッパー」(Pepper)も斎場でお経を読む用途として活用されている。