死傷者17人という大惨事の中、唯一の軽傷者で退院したキムさん(63)=女性=はバスの乗車口側に座っていた。キムさんは骨折などの外傷はなく、口の周りに擦り傷ができた程度だった。キムさんは事故発生時に119番通報すると共に、夫のイさん(64)にも事故を知らせた。イさんは「妻は『運転席周辺の前の方は比較的つぶれていなかったので重傷を免れた』と言った」「バスの前側の窓から入ってきた救助隊の手を最初につかんだのも妻だった」と言った。運転手イさん(58)は指や胸などを骨折し、脳出血の症状もある。妻のチェさんは「バスを15年運転している夫があれほどの事故で助かったのは天の恵み」と言った。
事故直後、バスのフロントガラスを割って進入路を確保した後、救助作業に当たった光州消防本部のキム・グァンホ救助チーム長は「バスに入った時、後部座席の乗客は既に死亡した状態だった」「中間地点までにいた生存者8人は約20分後に全員救助した」と語った。