大韓アーチェリー協会は今回の五輪で初めて行われるアーチェリー混合団体に誰を出場させるかで悩んだ。今年4月、五輪代表選手6人を選ぶ代表最終評価試合で男女1位になった金優鎮(キム・ウジン、29)=清州市庁=と姜彩栄を混合団体出場者に決め、練習させる方法もあった。2人は、世界ランキング1位になったことがある実力者たちだ。これまでの国際大会の成績や代表としての経歴を考えても、韓国代表メンバーの中で最も実力が際立っていた。
しかし、協会は悩んだ末、内部の競争を経なければならないという原則を固守することにした。今月23日に東京五輪の会場で行われたランキング・ラウンド(予選)を最終選抜戦にした。その結果、男子チームの最年少代表・金済徳(17)=慶北一高校=が688点を出して先輩選手たちを抑え、全体で1位になった。女子チームも最年少の安山(680点)が25年ぶりにこれまでの五輪記録(673点)を塗り替え、1位になった。
代表チームで最もキャリアが短い2人だが、ランキング・ラウンドで見せた実力を24日の混合団体までキープした。会場が吹っ飛びそうなほど大きな声で金済徳が「コリア・ファイト」と叫ぶ一方、安山は刻々と変化する海風にも顔色一つ変えない落ち着きぶりを見せ、金メダルを手にした。2人は国内最終評価試合でそれぞれ3位で、ギリギリで東京五輪出場を決めた。同協会の公正な競争原則があったからこそ新たなスターが誕生したのだ。