「イ・ジュンソプがかいた絵葉書のとりこに…凍りついた韓日関係溶かす国境のない愛」

毎日新聞元ソウル特派員の大貫記者、画家イ・ジュンソプ夫妻の本出版

 大貫記者は、その年の11月6日付毎日新聞1面で、イ・ジュンソプ100周年記念展のニュースを報道した。韓国戦争(朝鮮戦争)と貧しさを避けて日本に戻った妻と息子たちを恋しがりつつ、40歳で早世したイ・ジュンソプの人生を日本の読者にも知らせようとしたものだ。この記事を見た大手出版社・小学館の若い編集者が「イ・ジュンソプの話を取り上げた本を出そう」と連絡してきた。当時、小学館の右翼雑誌で嫌韓記事を取り上げていたこの編集者は「今は韓日間の温かい人の話を取り上げた本を出してみたい」と言って出版を提案したという。

 それから4年間、大貫記者はイ・ジュンソプの足跡が残る東京・釜山・済州島・統営などの現地で自ら取材し、方子夫人と次男・泰成さん=韓国名:李泰成(イ・テソン)=らに数回会った。イ・ジュンソプと方子夫人が交わした手紙50通もの貴重な取材資料となった。これをもとに解放と戦争という激動の時代を生きたイ・ジュンソプとその家族の物語を1冊の本にまとめた。

 この本は昨年の「第27回小学館ノンフィクション大賞」を受賞した。小学館が1993年に同賞を制定して以来、韓国関連の本が大賞を取ったのは初めてだ。韓国語版のタイトルは『帰らざる河』になる予定だ。イ・ジュンソプが死ぬ直前、北朝鮮に残した母親や、日本の家族を恋しがり、最後に残した作品の名前から取ったものだ。大貫記者は「韓国語版を通して、これまで韓国であまり知られていなかったイ・ジュンソプ死去後の方子夫人の生涯を知ってもらえれば」と語った。

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チェ・ウンギョン記者
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