双子の出産比率がここ40年間で5倍近くに急増したという。1981年に出生児1000人当たり5組にすぎなかったのが、2019年には22.5組にまで増えた。世界の双子出生比率が1000人当たり12組であることを思うと、韓国は世界平均の2倍に当たる「双子大国」というわけだ。晩婚で初妊娠が遅れ、不妊が増えている。不妊夫婦が人工受精や試験管で子どもを持つようになれば、双子の確率は高まる。以前なら子どもに恵まれないと諦めていたわけだが、最近では夫婦が医学の助けを借りて積極的に乗り出したことから生じた変化といえる。これを見つめる世間の視線も肯定的に変化してきている。
ヘラクレス神話が双子に対する無知だけを明らかにしたわけではない。子どもを丹念に育てた当時の社会像も垣間見ることができる。アンフィトリオンはヘラクレスに乗馬と戦車を教え、賢者ケイロンは教育を担当した。弓術や剣の扱い方も伝授した。おかげでヘラクレスは快楽を避け、美徳を重要視する大人へと成長した。2000年には63万人だった新生児が、19年からは30万人を下回ってしまった。子ども一人一人は、まるで日照りの際に降り注ぐ雨のように大切だ。従って双子が生まれれば歓喜の声を上げるようになるのは当然の成り行きだ。
金泰勲(キム・テフン)論説委員