「禹相赫(ウ・サンヒョク)選手に銅メダル獲得と同じ恵沢を与えてください」。今月3日に青瓦台(韓国大統領府)掲示板にこのようなタイトルの書き込みがアップされた。東京オリンピック陸上男子走り高跳びに出場した禹相赫(ウ・サンヒョク)選手(25)は24年ぶりとなる韓国新記録(2メートル35センチ)で世界4位に入った。陸上競技不毛の地である韓国としては異例の成果だ。競技終了後に堂々と敬礼をする姿も称賛を受けた。しかし韓国における兵役特例基準は「オリンピックでのメダル入賞」となっているため、これを禹相赫選手にも与えることを求める請願がアップされたのだ。
今月6日には請願掲示板に「野球で銅メダルを獲得した場合でも兵役免除の資格をはく奪せよ」という内容の請願が2件同時にアップされた。オリンピック野球の3位決定戦前日だった。今回のオリンピック野球にはオーストラリアや台湾などの強豪がコロナを理由に参加を見合わせたため、3位以上の入賞は過去の大会ほど難しくなかった上に、「韓国代表は真剣に試合に臨んでいないようだ」といったファンからの批判が相次いだためだ。最終的に韓国代表は3位決定戦でも敗れメダル獲得に失敗した。
8日に幕を閉じた東京オリンピックをきっかけに、スポーツ選手に与えられる「兵役特例制度」が今回改めて注目を集めている。現行の兵役法施行令によると、オリンピックで3位以上あるいはアジア大会で1位となった場合は「体育要員」として代替服務の恩恵が与えられる。1973年に「国威宣揚および文化暢達に寄与した芸術・体育特技者」を待遇するという趣旨で導入された制度だ。