「忠北同志会の子女も組織員として養成」指令

北朝鮮は世襲型の組織を狙ったもよう
平壌と連絡を取るメールのID、白頭山の血統を意味する「whitehead」

 北朝鮮の朝鮮労働党統一戦線部の傘下にある文化交流局の指令で組織された「自主統一忠北同志会」(以下『忠北同志会』)。文化交流局は忠北同志会に対し、メンバーの子女まで「世襲」の形で組織員として養成せよという趣旨の指示も下していたことが9日に伝えられた。

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 忠北同志会組織員らに対する拘束令状請求書によると、昨年6月に北朝鮮工作員は「〇顧問は健康上の関係を考慮して当分は病気の治療と身の保養に専心しつつ、Aを後備として育成する事業を受け持ってくれればいいと思う」「〇部長は連絡事業を専担しつつ、〇顧問の病気の看護とAに対する教養事業を受け持ってくれればいいと思う」という内容の指令文を送った。

 指令文に登場する〇顧問と〇部長は夫婦で、Aとは夫婦の息子だと分かった。北朝鮮は2004年から夫の〇顧問に対する抱き込み工作を繰り広げていた-と、韓国捜査当局は拘束令状請求書に記した。夫婦は今月2日に国家保安法違反容疑で身柄を拘束され、息子のA氏もまた昨年2月に「F35導入反対清州市民対策委」で一緒に活動したことを当局は把握した。

 「後備」とは、北朝鮮において「後方部隊」を意味する用語だ。北朝鮮は、青年層で構成された「青年同盟」を党・軍と共に体制維持のための3大堡塁(ほうるい)の一つとして重視し、労働党規約を通して「労働党の戦闘的後備隊」と定めている。忠北同志会にも、それを模倣した組織体系を構成せよという指示が下っていたわけだ。この夫婦のもう一人の息子は、韓国軍に服務していた08年、休暇を利用して中国へ渡った後、機務司令部(韓国軍の情報部隊)から調査を受けたこともあった。

 また、この一味は、北朝鮮側と指令・報告文をやりとりする際に、電子メールのIDとして「whiteheadXXXX」などを使っていたことが調査で分かった。Whitehead(白頭)は、北朝鮮が金氏世襲体制の正統性を宣伝しようとして作った「白頭血統」からの引用だと当局ではみている。一味はまた、北朝鮮工作員が提供した暗号化プログラム「ステガノグラフィー」を活用し、ロシアのポータルサイト「Rambler(ランブレル)」の電子メール、スイスにサーバーを置いて自動的に暗号化がなされる「Proton(プロトン)」の電子メールも併せて使っていたことが判明した。

イ・ジョング記者
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