「かつての軍事政権もこれほど頑固ではなかった」との指摘もある。韓国外国語大学のチョン・ジンソク名誉教授は「朴正熙(パク・チョンヒ)政権時代もいわゆる『言論倫理委員会法』により、間違っている報道や気に入らない報道をしたメディアに新聞用紙供給を減らしたり、融資を制限したりして不利益を被らせようとしたが、新聞関係者らや記者たちの反対で頓挫したことがあった」「今の与党は厳しい軍事政権でもしなかったことをしている」と言った。朴正熙政権は1964年の韓日会談に反対する世論を抑えるため言論審議委員会を作り、新聞社に最大6カ月まで停刊処分を下すことができる「言論倫理委員会法」の導入を推進したが、結局廃棄となった。
■言論学者ら「あちこちで『フェイクニュースだ』と主張し訴訟増えそう…結局被害は国民に」
専門家らは、今回の言論仲裁法改正案を、言論の監視機能を事実上委縮させようという「悪意のある言論のくつわ」と規定している。ソウル大学言論情報学科のユン・ソンミン教授は「言論仲裁法改正案という名称をつけてはいるが、実際は文在寅(ムン・ジェイン)政権が発足当初から作ろうとしていた『フェイクニュース規制法』だ」「『鼻に付ければ鼻輪、耳につければ耳輪』というようなあいまいな『虚偽・操作報道』という概念で批判的なメディアの口にくつわをはめようというもの」と話す。与党はフェイクニュース関連法を作ろうとしていたが、それが頓挫するや、言論仲裁法にこっそり入れ込んだということだ。