東京五輪:「審判の未熟さで柔道は面白くなくなった」「韓国選手は体力低下で金ゼロ」

オリンピック柔道審判の玄淑姫氏が見た問題点

玄委員は「チョ・グハム(KHグループ・ピルルックス)=29=と日本のウルフ・アロン(25)の男子100キロ級決勝も同じような試合だった」と評価している。玄委員は「チョ・グハムがウルフの襟をつかもうとした時、ウルフがこれを振り払う際にルールに反する動作が何度も繰り返された」とした上で「審判が最初からウルフに指導を与えていれば、試合の流れはかなり変わっていたかもしれない」と分析した。しかし審判は指導を与えず、チョ・グハムは延長5分35秒で大内刈り一本で敗れた。

 チョ・グハムの銀メダルは今回の東京オリンピックで韓国の男女を通じて最高の成績だった。韓国は2016年のリオデジャネイロ大会に続き2大会連続で金メダルなし(銀1、銅2)で終わった。女子は1つもメダルがなかった。玄委員は韓国が期待された結果を残せなかった原因としてコロナ渦を上げる。

 「韓国だけがコロナ渦で被害が出たわけではなかったが、欧州は雰囲気が違った。欧州では選手たちは大会に何度も出場し、稽古の機会も多かった。これに対して韓国選手たちは組み手の練習を多くはできず、2週間の隔離も何度もあった。柔道で『有効』がなくなったため試合がやや冗長になり、体力のある強い選手が有利になった。韓国選手たちは体力が低下していたということだ」

 韓国選手の強みはパワーと技術の調和だった。しかし今回は体力と筋力で相手を圧倒できなかっただけでなく、技術の多様性という面でも海外の強豪に比べて見劣りした。玄委員は「背負い投げのような大きな技を決めるには、まず多く動き小さな足技で先に相手を揺さぶらねばならない」「弟子たちにも『まずは根を揺さぶらないと木を倒せない』と教えている」と説明した。

 今年は不振だったが、韓国柔道に対する玄委員の信頼は今も厚かった。玄委員は「帰国した日に空港で後輩たちに会った時『1枚ずつサインしてほしい』と声をかけた。みんな残念そうだったが、次のパリ大会に向けてすでに覚悟していた。韓国柔道が3年後のパリ大会で1万5000人の観衆の前で再びかっこよく喜びの声を上げると信じている」と最後に締めくくった。

■国別に見た金メダル報奨金1位は?

キム・サンユン記者
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