「韓国は人工知能(AI)時代に注目すべき国だ」
AI界のブレーンである李開復・創新工場会長兼最高経営責任者(CEO)は最近、「世界的なAI企業であるグーグルもネイバーをライバルとして研究している」とした上で、冒頭の発言に及んだ。
台湾出身の李氏はアップルの研究開発担当役員、マイクロソフトのインタラクティブサービス部門副社長、グーグルチャイナ社長を歴任したAI専門家だ。2019年に世界経済フォーラム(WEF)に新設されたAI委員会の共同議長にも選ばれた。中国版ツイッターの微博(ウェイボ)でフォロワーが5150万人もいるスーパーオピニオンリーダーでもある。来月には英文によるSF小説「AI2041」を刊行する。中国の有名SF作家・陳楸帆とコラボした本で、2041年のAIが発達した世界を背景とする10のストーリーで構成されている。韓国は未来の「AI教育のメッカ」として描かれている。
李氏は「韓国は世界でもまれな独立的AI生態系を持つ国だ。大半の国はグーグル、ワッツアップなど米IT企業のインターネットサービスを利用するが、韓国はカカオ、ネイバーなど自国の大企業が市場を掌握しており、AI発展に有利だ」と指摘した。データはAIの燃料であり、自国で多くのデータを確保している韓国企業が今後さらに強力なAIを持つことになるとの見方だ。李氏は「自分がグーグルチャイナにいた2000年代後半、ネイバーはグーグルが認める数少ないライバル企業だった」と述べた。
AIが高度に発達した未来社会で、韓国が優位に立つ産業について、李氏は「教育とエンターテインメントだ」と話す。そして、「韓国の教育熱は世界最高水準だ。その上、遠隔教育が定着できるインターネットなどのインフラが完備している。日本がこれまでアジアのエンターテインメント市場で優位を占めたが、韓国は今後豊富なコンテンツを武器にAI、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)を応用した新たなエンターテインメント産業の中心地になる可能性がある」と予想した。