初期は韓国のパクリで成功、今や中国大陸を支配するテンセント(上)

中国時価総額トップ企業テンセント大解剖

初期は韓国のパクリで成功、今や中国大陸を支配するテンセント(上)

 中国で株式時価総額トップの企業はテンセント(騰訊)だ。昨年12月22日現在で650兆ウォン(約63兆円)でサムスン電子(474兆ウォン)の1.4倍に達する。ソーシャルメディア、ゲーム、フィンテック、音楽ストリーミング配信などインターネットの全分野で順調に疾走している。中国のインターネット企業ビッグ3のうち、馬雲(ジャック・マー)氏率いるアリババ(阿里巴巴)は電子商取引、百度(バイドゥ)は検索に特化しているが、テンセントはまるで生き物のように変身する。光大証券は今年8月のリポートで、「テンセントはソーシャルメディア企業、ゲーム企業を経て、メタバース企業への転換し、トップランナーの座を守っている」と指摘した。

【グラフ】テンセントが大株主の韓国企業

■模倣に最も長けた企業

 テンセントは1998年、ソフトウエアエンジニア出身の馬化騰氏が大学の同窓生4人と起業した。メッセンジャー「QQ」を展開したものの、これといった収益モデルがなかった同社は2000年、01年に米国系ベンチャーキャピタル、南アフリカのメディア企業ナスパーズに株式を売却することで延命を図った。

 テンセントの初期の成功は韓国企業をコピーした結果だった。2003年1月、テンセントは韓国のメッセンジャー「セイクラブ」のアバターサービスを模倣した「QQショー」の展開を開始。アバターとアイテムのデザインは韓国企業に委託し、10代のユーザーが容易に決済できるように携帯電話料金からの差し引きで購入できるオンライン通貨「QQキャッシュ」を創設した。QQショーは6カ月で500万人の有料ユーザーを獲得した。テンセントは「サイワールド」を模倣した「QQ空間」も投入した。

 自信を持った馬化騰氏はゲーム、モバイル分野に進出した。ライバルのゲーム・ポータルサイトを模倣し、ゲームプラットフォームの「QQゲーム」、ポータルサイト「QQドットコム(騰訊網)」のサービスを開始。07年には韓国スマイルゲートの「クロスファイア」、ネオプルの「ダンジョン&ファイター」(アラド戦記)の中国版を投入し、瞬く間に中国ゲーム界で最強の地位に登り詰めた。ただ、韓国のゲームを中国に持ち込み、安易にカネを稼いだとする批判を受けた。

 テンセントは11年2月、モバイルチャットアプリ「ウィーチャット(微信)」を投入したことでその地位が変貌した。ウィーチャットは文字だけでなく、イメージ、ファイル共有などの機能を追加し、音声チャット、企業や公人の公式アカウント開設も可能にした。ユーザー数は2年間で3億人を超え、ウィーチャットペイ(微信支付)というモバイル決済にも参入し、モバイル市場を掌握した。

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