初期は韓国のパクリで成功、今や中国大陸を支配するテンセント(下)

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■模倣から果敢な投資へ

 テンセントは11年から投資家に変身した。ゴールドマンサックス出身の劉熾平(マーティン・ラウ)社長の助言に従い、社外への投資を通じた事業拡大へと戦略を変更した。内部には有望企業を発掘する最高探査責任者(CXO)まで置いた。数字とデータを重視する馬化騰氏が投資家に変身した背景には、テンセントが当時、世論とライバルによる挟み撃ちに遭っていたことのほか、企業としての競争力が「莫大な資金」にあるという結論を下したからだ。

【グラフ】テンセントが大株主の韓国企業

 テンセントは11年、米国を代表するゲーム企業であるライオットゲームズに4700億ウォンを投資したのをはじめ、米エピックゲームズ(出資比率48%)、ゲーム「クラッシュ・オブ・クラン」で知られるフィンランド企業スーパーセル(84.3%)など世界的なゲーム企業を相次いで買収した。中国国内でも配送アプリ「大衆点評」(現・美団、20%)、中国2位の電子商取引サイト、京東(17%)、求人サイト「58同城」(19.9%)に大規模な出資を行い、インターネット企業世界大手に浮上した。

 韓国に対する影響力は懸念されるほどだ。テンセントはネットマーブル、クラフトン、CJ E&M、カカオペイ、カカオゲームズなど韓国を代表するIT企業の大株主だ。特にテンセントは大株主の地位を利用し、韓国の人気ゲームの中国での版権を独占し、収益の大半も持っていっている。「バトルグラウンド」を配信するクラフトンは売上高の70%がテンセント絡みだ。ゲーム業界関係者は「中国で韓国のゲーム企業に対するゲーム許可証の発給が止まっている状況をテンセントが有利に利用している」と指摘した。

 テンセントは現在、世界的に人気を集めているメタバース(ネット上の仮想空間)を通じ、新たな飛躍を夢見ている。馬化騰氏は20年末、社内報で「全真互聯網」という概念を掲げ、メタバース企業への転換を暗示した。テンセントは昨年2月、最も注目を浴びるメタバースプラットフォームである「ロブロックス」の中国版の独占権を確保したほか、メタバース関連の数多くのテクノロジー企業を買収している。インターネット業界からはテンセントが近く独自のメタバースプラットフォームを発表するとの見方が示されている。

イ・ボルチャン記者

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