謝罪できる勇気…ショートトラック黄大憲、ぶつかった選手に「申し訳ない」

北京冬季オリンピック・ショートトラック男子500メートル準決勝で無念の失格
韓国は男女共にメダルなしで500メートルを終える

 2022北京冬季オリンピック・ショートトラック男子1500メートルで金メダルを獲得した黄大憲(ファン・デホン)=23、江原道庁=が500メートルでは決勝に進めなかった。「4年前の平昌大会銀メダルを金メダルに変える」という目標は達成できなかった。

 黄大憲は13日の準決勝(北京首都室内競技場)で失格となった。最後のコーナーで十分なスペースがない状態でインから追い越そうとした際にカナダのスティーブン・デュボワ選手(25)と衝突し転倒した。黄大憲は競技後にデュボワに近寄り背中をたたいて謝罪した。黄大憲は「後悔してレースを終えるより失敗しても(インに切れ込んで)チャレンジした方がよいと考えた。カナダの選手には申し訳ないと伝えた」と述べた。

 デュボワは今月9日の1500メートルで2位に入ったが、その際「黄大憲(1位)について行けばメダルを取れると考えた」と語っていた選手だ。デュボワは500メートルで黄大憲が失格となったことで決勝に進み、シャオアン・リュウ(23)=ハンガリー=とコンスタンチン・イブリエフ(22)=ロシア・オリンピック委員会=に続いて3位に入った。

 韓国はショートトラック強国だが500メートルだけは結果が残せていない。男子は1994年のリレハンメル大会で蔡智薫(チェ・ジフン)が金メダルを獲得したが、女子は1998年長野の全利卿(チョン・イギョン)と2014年ソチの朴勝羲(パク・スンヒ)の銅メダルが最高成績だ。500メートルは爆発的なスピードとパワーが必要だが、韓国はこれまで短距離のスペシャリストよりも複数種目をこなせるオールラウンド型の選手を育てることに力を入れてきた。

 黄大憲は欧米の選手と比べて体格(180センチ、77キロ)が劣らずスタートも得意なため500メートルでも安定した成績を残してきた。2018年の平昌オリンピックでは銀メダルを獲得し、2018年と19年の世界選手権では2連覇を達成した。今シーズンも国際スケート連盟(ISU)ワールドカップで1回優勝している。しかし今回の北京オリンピックでは今月7日の女子500メートル準決勝で崔珉禎(チェ・ミンジョン)=24、城南市庁=が転倒により脱落し、男子のエースだった黄大憲も決勝に進めなかったためこの種目はノーメダルに終わった。

 個人種目の日程を全て終えた黄大憲は16日の男子5000メートルリレーで2冠王に挑戦する。韓国男子チームは安賢洙(アン・ヒョンス)=ロシア名、ビクトール・アン=がエースだった2006年のトリノ大会以来リレーでの金メダルはない。黄大憲は「個人戦は後悔も未練もなく競技を終えた。最後に一つ残っているが、仲間の選手たちと準備したチームワークをしっかりと発揮したい。そして5人が一緒に笑えたらよい」と述べた。

北京=ソン・ウォンヒョン記者、イ・ヨンビン記者

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  • ▲決勝に進出できなかった黄大憲(ファン・デホン)=右=がまず謝罪…北京冬季オリンピックのショートトラック男子500メートル準決勝で黄大憲は最後のカーブを曲がる際にスティーブン・デュボワ選手と衝突した。黄大憲はデュボワ選手に近寄り背中をたたいて謝罪した。/キム・ジホ記者

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