【コラム】「天安門の城楼」と「ペロシ・パッシング」

同盟を強調する尹大統領の意外な選択
休暇を口実にしたかと思えば後から「国益を考慮」
「中国の顔色をうかがった」と解釈するのは当然
現政権の外交政策はどちらを向いているのか

 実際の事情がどうあれ、一度「休暇が理由」と発表したのであれば、それに応じた対応をすべきだったがそれもできなかった。ペロシ議長来韓前後の大統領室からのメッセージは「世論を考慮していったんは会うことを考えたが、それも見た目が良くないので電話会談でうまくおさめようとした」と解釈されるしかなかった。その後、大統領室はペロシ議長と会談しなかったことについて「国益を総体的に考慮した結果」と説明を変えたが、これは惨事レベルの失言だった。「休暇」という最初の理由とつじつまが合わないのはもちろん、戦略的に何か大きな考慮が行われたのであれば、「中国への配慮」以外にその理由が見当たらないからだ。大統領室は「中国に配慮したのではない」と後から弁解したが、今回の大統領室の対応を見て、誰もがかつて朴槿恵(パク・クンヘ)元大統領が自由主義陣営の首脳で唯一天安門の城楼に上ったことを思い起こしたはずだ。

 もちろん韓米関係はこの程度の事件で揺らぐほどぜい弱ではないが、大統領の支持率低下も相まって必要以上に話題になった側面もあるだろう。ただし「外交非礼」とか「儀典上の問題」とか言ったゴシップめいた議論のレベルを超え、今回の件は「韓国の外交・安全保障のシステムはしっかりと機能しているのか」という懸念を呼び起こした。「コントロール・タワーが確固たる中心となり、これに従って現場の組織は一心不乱に動いているのか」「同盟国との意思疎通に問題はないのか」、さらには「韓国の外交に明確な方向性や原則はあるのか」などの懸念だ。ペロシ議長が韓国を後にした直後、中国は「礼儀正しい決定」と評価し、米国では官民双方からあまり良くない反応が相次いだ。これは本来意図した結果ではなかったはずだ。

イム・ミンヒョク記者

【フォト】2015年9月3日、天安門の城楼で中国人民解放軍の軍事パレードを参観した朴槿恵大統領

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