韓国政府が8月22日、「デジタル人材を養成する」とし、2025年から小・中・高校の「コーディング」(コンピューター言語)教育を必須とし、デジタル人材育成のための授業時間を2倍に増やすと発表したことと関連、「コーディング先行学習」ブームが起きるのではないかと懸念する声が上がっている。すでに学校外教育市場でコーディング塾は政府の措置を歓迎し、保護者からの問い合わせが後を絶たないという。
8月24日午後、ソウルのあるコーディング塾を訪れた。6歳の幼稚園児2人がブロック式コーディングについて学んでいた。ノートパソコンにインストールされてあるコーディングプログラムで、ブロックにさまざまな色の照明が順番通りに点滅するようプログラムする内容だ。ある保護者は「ブロックを通じてコーディングを簡単に習わせるのが最近のはやり」と伝えた。ここ数年間で第4次産業革命やIT開発者の求人難などが報じられ、小学生はもちろん、未就学児童たちをコーディング塾に通わせる保護者が少なくない。地域によっても差はあるが、未就学児童を基準にした場合、授業料は週4回で15万-25万ウォン(約1万5400-2万5700円)前後となっている。必要な教材や機材などによって月50万-60万ウォン(約5万1300-6万1600円)に上ることもある。
政府の発表以降、若い父兄たちの間では、小学校の入学前からコーディング塾に通わせることで、先行学習に対する負担が増すのではないかと懸念する声が上がっている。「コーディングが何なのかも分からないまま熟に通い、子どもが授業に付いていけずにストレスを感じるようになるのではないかと心配」というのだ。1997年に小学校での英語教育が正規課程となって以降、英語の早期教育が強調されながら始まった英語幼稚園ブームが、今では「ヨンコ(乳幼児コーディング)」ブームにつながりかねないと指摘する声もある。
ソウルのあるIT会社の開発者として勤務するチェさん(33)は「8歳、4歳の2人の娘がいるが、小・中・高校で必須科目になれば、コーディングが確実に内申に盛り込まれるだろう」とし「コーディングの早期教育を施した方が後々有利」とする考えを示した。ただでさえ学校外教育費の負担は大きいが、コーディング塾の費用が追加でかさむようになったと懸念する人も多い。ソウル市竜山区二村洞で7歳と5歳の2人の子どもを育てるチョンさん(45)も、やはり「いくらデジタル時代とはいえ、全員がコーディングをしなければならないというわけでもないのに、必須と言って押し付けるのは不満。今でさえ、学校で英語や数学をきちんと教えることができていないではないか」と疑問を投げ掛けた。