【コラム】「東北工程は学術問題」という中国のうそ

政治の論理で高句麗史を歪曲しておいて「学問の領域」だと強弁する中国
今度は古朝鮮の歴史すら否定…韓国史全体を横取りしようというのか

 2002年から5年にわたって公式に進められた東北工程の主体である「辺境史地研究中心」は、中国国務院の傘下にある社会科学院の一機関だった。明らかに国策研究だった。2004年に韓中政府は、高句麗史問題に政治的に介入しないという口頭合意を交わしたが、吉林省社会科学院の「東北史志」は2017年まで発行されて歴史侵奪を継続し、百度百科などは高句麗が中国史だとする「固め」作業に入った。

 さらに大きな問題は、中国の歴史侵奪は高句麗・渤海にとどまらないということだ。「中国社会科学院が研究書『古代中国高句麗歴史総論』で“百済と新羅も中国史の一部”と主張した」という記事を書いたのは2007年のことだった。その時点では「まさかそこまでやるとは」と半信半疑な人が多かったが、10年後の2017年、米国のドナルド・トランプ大統領(当時)は、「韓国は歴史的に中国の一部」だという習近平国家主席の言葉を伝えた。

 今回の年表歪曲問題で、ほとんど注目されなかった部分がある。年表の原資料を提供した韓国国立中央博物館は、古朝鮮の建国年代を紀元前2333年としていたが、中国側はこれを「古朝鮮 年代:?~紀元前108年」と書き換えた。古朝鮮の歴史全体を否定し、中国側が地方政権と見なしている末期の衛満朝鮮のみ認めるという下心が透けて見える。

 中国は最後までこの年表を修正することなく、撤去した。トランプが聞いたという習近平の言葉のように、中国が韓国史全体を「属邦」の歴史として横取りしようとしていると見るべき、相当な理由があるのだ。

兪碩在(ユ・ソクチェ)記者

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  • ▲9月16日、中国・北京の国家博物館で開催されている「東方吉金-中韓日古代青銅器展」入り口の様子。/写真=聯合ニュース

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