中型空母に規模を拡大すると離陸距離が延び、艦載機はより多くの燃料と武装を積むことができます。そこにも離陸方式という要素があります。中国の空母である遼寧や山東は甲板の前部が12-14度ほど上を向いています。これを「スキージャンプ台」と呼びますが、短い離陸距離を補う装置です。 ただ、そうした補完を行っても離陸重量が大幅に増えることはありません。
その問題を解決するために米国が開発したのが蒸気や電気を利用して戦闘機を飛び出させる射出機です。いわゆる「パチンコ」で鳥を撃つように戦闘機を空に飛ばすのです。そうすれば離陸重量が大幅に増加します。
中国の第3の空母福建は電子式射出機3基の搭載に成功しました。しかし福建は原子力ではなく従来式の動力を使っているため、電子式射出機に必要となる莫大な電力を確保するのに問題が生じる可能性があるといいます。
■韓国がステルス艦載機開発と推測
韓国の中型空母に射出機が搭載されるかどうかは不確かです。中国は今回の防衛産業展に登場したKF21Nに射出機用けん引装置が付いているのを見て、韓国も射出機を開発しようとしていると判断したわけですね。
空母戦団の核心は搭載する戦闘機のレベルでしょう。第5世代ステルス戦闘機を搭載すれば、それを持たない空母戦団との戦闘で確実な優位を占めることができるでしょう。中国は艦載機用ステルス戦闘機J-35を開発し、テストを進めているところです。
それに比べ、KF21は完全なステルス機ではありません。中国は韓国が中型空母プロジェクトを本格化すれば、まもなくKF21のステルスバージョンの開発に乗り出すと予想しています。
■インドも初の国産空母を実戦配備
中国が触発した空母軍備競争は、犬猿の仲であるインドにも広がりました。インドは今年8月15日、独自の技術で建造した排水量4万5000トン級の中型空母ビクラントを配備しました。2014年に実戦配備したビクラマーディティヤに続く2隻目の空母です。既にに軽空母2隻を確保した日本も10年以内に6万トン級の中型空母の開発に乗り出すと中国は考えています。
韓国の中型空母計画はまだ検討段階ですが、隣国・中国と日本が空母開発に乗り出している状況で、私たちだけがてをこまぬいているわけにはいかないようです。
崔有植(チェ・ユシク)東北アジア研究所長