小説・映画・ミュージカル…韓国は今「安重根ブーム」

小説家・金薫の『ハルビン』、9週連続1位
ユン・ジェギュン監督の映画『英雄』、12月に封切り
ミュージカルと共にダブルヒットを期待

 金薫(キム・フン)著の小説『ハルビン』が9週連続で総合1位(教保文庫)を守り続けている。発行部数は8刷22万部。金薫は「安重根(アン・ジュングン)の尋問調書や公判記録には、悲劇的で美しい世界があった」とし「時代全体と対決する、その高圧電流を移してきたかった」と語った。書店大手「教保文庫」によると、同作は他のベストセラーに比べ40-60代男性層にかなりの人気がある。読者の間で『ハルビン』は「安重根義士のことをあらためて考える時間になり、その一方で恥ずかしかった」という評を集めている。

【写真】ミュージカル『英雄』での伊藤博文暗殺シーン(写真=ACOM)

 映画『国際市場で逢いましょう』で1426万人の観客を集めたユン・ジェギュン監督は、今年12月にミュージカル映画『英雄』で戻ってくる。ハルビンでの伊藤博文暗殺の直前から殉国まで、安重根(1879-1910)の最後の1年を描いた。この映画が原作にしているミュージカル『英雄』も、12月にLGアート・センター・ソウルで開幕する。今年下半期の韓国文化界のキーワードとして「安重根」が予約されているわけだ。「韓国社会は経済的不況と社会的危機に見舞われており、大衆は安重根に共感と慰めを得ている」との解釈が登場している。

■映画『英雄』は母を描いた物語

 ユン・ジェギュン監督にとって、『英雄』は8年ぶりとなる復帰作。彼は10月7日、釜山国際映画祭で報道陣の取材に応じ「映画『英雄』を12月21日に封切りする」と発表した。劇中のウラジオストクの姿はラトビアで撮影し、ハルビンは陜川と平昌のセットで再現した後、視覚特殊効果(VFX)を活用した。

 「投資家らはチョン・ソンファが安重根を演じることに反対したが、『この作品を一番よく理解している俳優で、歌の実力は代替不可能』と説得した。『国際市場で逢いましょう』が父親の物語だとしたら、『英雄』は母親を描いた物語。安重根と趙瑪利亜(チョ・マリア)女史=女優ナ・ムニ=、母子の関係が核心だ。息子に対する愛が切ない。厳しい時代を生きている全ての人が英雄だと私は思う」

 この日、取材の場には俳優チョン・ソンファ、キム・ゴウン、イ・ヒョヌ、パク・チンジュなどと共に投資配給会社CJENMが同席した。歌はほとんどライブで録音し、「あの日を記憶して」「誰が罪人か」など原作ミュージカルの挿入歌のほかにも、朝鮮王朝最後の宮女にして独立軍情報員のソルヒ(女優キム・ゴウン)の歌う1曲が追加された。ユン・ジェギュン監督は「キム・ゴウンの歌の実力は歌手ソ・チャンヒに匹敵する」と語った。チョン・ソンファは「未来を変えてくれる英雄を待ちながら、肝心の、今の私たちをあらしめている英雄のことは忘れて生きている」とし「見れば胸が熱くなる映画」と語った。

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