小説・映画・ミュージカル…韓国は今「安重根ブーム」

小説家・金薫の『ハルビン』、9週連続1位
ユン・ジェギュン監督の映画『英雄』、12月に封切り
ミュージカルと共にダブルヒットを期待

■ミュージカルもバレエも「安重根ブーム」

 ミュージカル『英雄』は、麻谷に移転したLGアート・センター・ソウルで12月21日に開幕する。映画『英雄』とミュージカル『英雄』が同じ日に観客と対面し、同伴ヒットするという事件が起きるかもしれない。LGアート・センター・ソウルの関係者は、ミュージカル第1弾に『英雄』を選んだ理由について「安重根義挙100周年に当たる2009年にLGアート・センターで初演し、良い評価を得た創作ミュージカル」だとしつつ「老若男女さまざまな観客が見ることのできる作品でもある」と説明した。

 今年6月の大韓民国バレエ・フェスティバルの開幕作品は、Mバレエ団の『安重根、天国での踊り』(振り付け:ムン・ビョンナム)だった。「大韓独立の声が天国まで聞こえてきたら、私は喜んで踊りながら万歳を叫ぶだろう」という安重根の遺言から出発した物語バレエだ。イ・ドンフンが安重根、キム・ジヨンが金亜麗(キム・アリョ、安重根の妻)、キム・スンジョンが趙瑪利亜として踊った。

■今、なぜ安重根なのか?

 安重根は李舜臣(イ・スンシン)と共に、韓国国民全てが敬慕する英雄だ。金薫は「安重根義士がハルビンで叫んだ二つのこと、弱肉強食に承服できないということと東洋平和は、(最近の台湾と中国の対立を見れば)依然として有効な叫び」だと語った。映画評論家のユン・ソンウンは「日帝強占期や6・25を経験していない世代にとっては、新型コロナ問題や経済的不況、物価上昇が最大の危機」だとし「安重根義士は歴史の中で剥製になった英雄ではなく、こうした困難の際に呼び出されて韓国人にプライドと慰め、刺激を与える存在」との解釈を示した。

 10月26日は、安重根がハルビンで伊藤博文を暗殺した日。安重根義士崇慕会(金滉植〈キム・ファンシク〉理事長)は、安重根義士記念館で「ハルビン義挙113周年記念式」を開催する。遺体はまだまだ戻ってきていないが、国中が安重根の名を呼んでいる。映画やミュージカルで安重根が歌う「丈夫歌」には、こんな一節がある。「丈夫が世に生まれ/大きな志を抱いたのだから/死んでもその志を忘れるまい/天に向けて誓ってみる」

朴敦圭(パク・トンギュ)記者

【写真】ミュージカル『英雄』での伊藤博文暗殺シーン(写真=ACOM)

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